マタイの福音書第26章第69節~第75節:ペテロがイエスさまを否定するマタイの福音書第26章第47節~第56節:イエスさまが裏切られ逮捕される

2015年12月06日

マタイの福音書第26章第57節~第68節:議会の前に立つイエスさま

第26章



(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)


Jesus before the Council

議会の前に立つイエスさま


57 Then the people who had arrested Jesus led him to the home of Caiaphas, the high priest, where the teachers of religious law and the elders had gathered.

57 イエスさまを逮捕した人たちはイエスさまを大祭司カヤパの屋敷へ連れて行きました。そこには律法学者と長老たちが集まっていました。

58 Meanwhile, Peter followed him at a distance and came to the high priest’s courtyard. He went in and sat with the guards and waited to see how it would all end.

58 そうしている間にペテロは少し離れてイエスさまに付いていき、大祭司の家の中庭まで来ました。ペテロは中に入り、見張りの者たちと共に座り、どのようなことになるかを見届けることにしました。

59 Inside, the leading priests and the entire high council were trying to find witnesses who would lie about Jesus, so they could put him to death.

59 中では祭司長たちと議会の全員が、イエスさまについて偽証をする目撃者を探していました。それでイエスさまを死刑にすることができるようにです。

60 But even though they found many who agreed to give false witness, they could not use anyone’s testimony. Finally, two men came forward

60 ところが偽証をすることに同意する人はたくさん見つかりましたが、誰の証言も使い物になりませんでした。最後に二人の人が前に出て来ました。

61 who declared, “This man said, ‘I am able to destroy the Temple of God and rebuild it in three days.’”

61 二人は言いました。「この男は言った。『私は神さまの寺院を破壊し、それを三日で建て直せる』と。」

62 Then the high priest stood up and said to Jesus, “Well, aren’t you going to answer these charges? What do you have to say for yourself?”

62 すると大祭司が立ち上がり、イエスさまに言いました。「さぁ、この告発に対して何も答えないのですか。あなた自身のために言わなければいけないことは何ですか。」

63 But Jesus remained silent. Then the high priest said to him, “I demand in the name of the living God -- tell us if you are the Messiah, the Son of God.”

63 しかしイエスさまは沈黙を守りました。それで大祭司はイエスさまに言いました。「私は生ける神さまの名の下に要求します。私たちに言いなさい。あなたは神さまの息子、救世主なのですか。」

64 Jesus replied, “You have said it. And in the future you will see the Son of Man seated in the place of power at God’s right hand and coming on the clouds of heaven.”

64 イエスさまは答えました。「あなたがそれを言ったのです。そして将来、あなた方は、人の子が神さまの右側の力の座に着き、天の雲に乗って来るのを目撃します。」

65 Then the high priest tore his clothing to show his horror and said, “Blasphemy! Why do we need other witnesses? You have all heard his blasphemy.

65 それから大祭司は嫌悪を表現するために自分の衣服を引き裂いて言いました。「冒涜です。どうして私たちに他の証人が必要でしょうか。あなた方全員が、この男の冒涜のことばを聞いたのです。

66 What is your verdict?”  “Guilty!” they shouted. “He deserves to die!”

66 あなた方の意見はどうですか。」 彼らは叫びました。「有罪だ。彼は死刑に値する。」

67 Then they began to spit in Jesus’ face and beat him with their fists. And some slapped him,

67 それから人々はイエスさまの顔につばきをかけ、こぶしでなぐり始めました。中には平手で打つ者もいました。

68 jeering, “Prophesy to us, you Messiah! Who hit you that time?”

68 そしてからかって言いました。「救世主なら預言してみろ。あなたを打ったのは誰だ。」




ミニミニ解説

マタイの第26章です。

前回、エルサレムの城壁の外側、市の東側に広がるオリーブ山で宿営していたイエスさまの一行は、裏切り者のユダが引き連れてきた形で、ローマ帝国の兵を含む武装した集団の急襲を受けました。弟子たちは散り散りになってその場を逃げだし、イエスさまは逮捕されてしまいます。

逮捕されたイエスさまは大祭司の私邸へ連行されます。

今回と同じ部分の話は「マルコ」「ルカ」「ヨハネ」のすべての福音書に見られます。「マルコ」はMark 14:53-65(マルコの福音書第14章第53節~第65節)です。

「53 彼らがイエスを大祭司のところに連れて行くと、祭司長、長老、律法学者たちがみな、集まって来た。54 ペテロは、遠くからイエスのあとをつけながら、大祭司の庭の中まで入って行った。そして、役人たちといっしょにすわって、火にあたっていた。55 さて、祭司長たちと全議会は、イエスを死刑にするために、イエスを訴える証拠をつかもうと努めたが、何も見つからなかった。56 イエスに対する偽証をした者は多かったが、一致しなかったのである。57 すると、数人が立ち上がって、イエスに対する偽証をして、次のように言った。58 「私たちは、この人が『わたしは手で造られたこの神殿をこわして、三日のうちに、手で造られない別の神殿を造ってみせる』と言うのを聞きました。」 59 しかし、この点でも証言は一致しなかった。60 そこで大祭司が立ち上がり、真ん中に進み出てイエスに尋ねて言った。「何も答えないのですか。この人たちが、あなたに不利な証言をしていますが、これはどうなのですか。」 61 しかし、イエスは黙ったままで、何もお答えにならなかった。大祭司は、さらにイエスに尋ねて言った。「あなたは、ほむべき方の子、キリストですか。」 62 そこでイエスは言われた。「わたしは、それです。人の子が、力ある方の右の座に着き、天の雲に乗って来るのを、あなたがたは見るはずです。」 63 すると、大祭司は、自分の衣を引き裂いて言った。「これでもまだ、証人が必要でしょうか。64 あなたがたは、神をけがすこのことばを聞いたのです。どう考えますか。」すると、彼らは全員で、イエスには死刑に当たる罪があると決めた。65 そうして、ある人々は、イエスにつばきをかけ、御顔をおおい、こぶしでなぐりつけ、「言い当ててみろ」などと言ったりし始めた。また、役人たちは、イエスを受け取って、平手で打った。」([新改訳])。

「ルカ」はLuke 22:54-55(ルカの福音書第22章第54節~第55節)と、Luke 22:63-71(ルカの福音書第22章第63節~第71節)です。

「54 彼らはイエスを捕らえ、引いて行って、大祭司の家に連れて来た。ペテロは、遠く離れてついて行った。55 彼らは中庭の真ん中に火をたいて、みなすわり込んだので、ペテロも中に混じって腰をおろした。」「63 さて、イエスの監視人どもは、イエスをからかい、むちでたたいた。64 そして目隠しをして、「言い当ててみろ。今たたいたのはだれか」と聞いたりした。65 また、そのほかさまざまな悪口をイエスに浴びせた。66 夜が明けると、民の長老会、それに祭司長、律法学者たちが、集まった。彼らはイエスを議会に連れ出し、67 こう言った。「あなたがキリストなら、そうだと言いなさい。」しかしイエスは言われた。「わたしが言っても、あなたがたは決して信じないでしょうし、68 わたしが尋ねても、あなたがたは決して答えないでしょう。69 しかし今から後、人の子は、神の大能の右の座に着きます。」 70 彼らはみなで言った。「ではあなたは神の子ですか。」すると、イエスは彼らに「あなたがたの言うとおり、わたしはそれです」と言われた。71 すると彼らは「これでもまだ証人が必要でしょうか。私たち自身が彼の口から直接それを聞いたのだから」と言った。」([新改訳])。

「ヨハネ」はJohn 18:15-24(ヨハネの福音書第18章第15節~第24節)です。

「15 シモン・ペテロともうひとりの弟子は、イエスについて行った。この弟子は大祭司の知り合いで、イエスといっしょに大祭司の中庭に入った。16 しかし、ペテロは外で門のところに立っていた。それで、大祭司の知り合いである、もうひとりの弟子が出て来て、門番の女に話して、ペテロを連れて入った。17 すると、門番のはしためがペテロに、「あなたもあの人の弟子ではないでしょうね」と言った。ペテロは、「そんな者ではない」と言った。18 寒かったので、しもべたちや役人たちは、炭火をおこし、そこに立って暖まっていた。ペテロも彼らといっしょに、立って暖まっていた。19 そこで、大祭司はイエスに、弟子たちのこと、また、教えのことについて尋問した。20 イエスは彼に答えられた。「わたしは世に向かって公然と話しました。わたしはユダヤ人がみな集まって来る会堂や宮で、いつも教えたのです。隠れて話したことは何もありません。21 なぜ、あなたはわたしに尋ねるのですか。わたしが人々に何を話したかは、わたしから聞いた人たちに尋ねなさい。彼らならわたしが話した事がらを知っています。」 22 イエスがこう言われたとき、そばに立っていた役人のひとりが、「大祭司にそのような答え方をするのか」と言って、平手でイエスを打った。23 イエスは彼に答えられた。「もしわたしの言ったことが悪いなら、その悪い証拠を示しなさい。しかし、もし正しいなら、なぜ、わたしを打つのか。」 
24 アンナスはイエスを、縛ったままで大祭司カヤパのところに送った。」([新改訳])。

いつものように「マタイ」・「ルカ」=「マルコ」+「Q資料」+「独自の資料」の式にあてはめると、この部分がほぼ「マルコ」から採用されていることがわかります。

イエスさまの裁判は正確には三回行われています。まず最初の裁判が今回の部分に書かれている、大祭司カヤパ邸で夜中の間に行われた裁判、次が実はマタイではあいまいにされていますが、夜明けと共に寺院で行われたサンヘドリン全体による裁判、そして最後がローマ帝国総督のピラトによる裁判です。

夜明けに行われた二回目の裁判については、Mark 15:1(マルコの福音書第15章第1節)に「夜が明けるとすぐに、祭司長たちをはじめ、長老、律法学者たちと、全議会とは協議をこらしたすえ、イエスを縛って連れ出し、ピラトに引き渡した。」([新改訳])と書かれています。

さてオリーブ山でイエスさまを逮捕したローマ帝国軍の兵士たちはイエスさまを大祭司カヤパの屋敷へ連れて行きます。時刻は深夜です。

当時のエルサレムは周囲をグルリと城壁に囲まれた難攻不落の城塞都市でした。オリーブ山は市の東側に位置しており、イエスさまを逮捕した一群はまずエルサレムの城壁に沿って谷底を南へと下り、城壁の内側に入ると、市内の南西にある大祭司邸に至ります。

大祭司の家には律法学者と長老たちたちがすでに集まっていました。これはイスラエルの最高議決機関であるサンヘドリンのメンバーたちです。これから大祭司の家でイエスさまに宗教裁判の判決を下す予備審問が開かれようとしているのです。

第58節、すべての弟子たちが散り散りになって逃げ出しましたが、ペテロはひとり、少し距離をおいてイエスさまを連行していく一群に付いていきます(「ヨハネ」では「シモン・ペテロともうひとりの弟子」と二人になっています)。見つかれば逮捕されてしまうかもしれませんから、物陰に隠れながらこっそりとついていったのだと思います。

イエスさまが大祭司の家の中へ連れて行かれると、ペテロは誰でもない風を装いながら大祭司邸の中庭へ入っていき、なんと大祭司邸を警備する見張り役たちに混じって座ります。大胆な行動ですが、きっとイエスさまのことが好きで心配なのに、それを正しい行動に移す勇気が出せず、周囲にキョロキョロと目を配りながら見張り役たちの間に紛れ込んだのでしょう。

第59節によると、大祭司邸に集まったサンヘドリンの議員たちは「全員が」イエスさまを殺すことができるようにイエスさまについて嘘の証言をする人を見つけようとしていたのです。何という状況でしょうか。ローマ帝国の統治下にあるイスラエルではサンヘドリンと言えども勝手に人を死刑に処することはできませんでした。処刑はローマ帝国に依頼しなければなりません。サンヘドリンがイエスさまを死刑にしてもらうためには、宗教裁判で有罪判決を下さなければならなかったのです。議員たちはイエスさまの罪状を死刑にふさわしく確定するため、使い物になりそうな目撃者証言を探しますが、どの話も決め手を欠きます。

最後に二人の人が神殿を打ち壊して三日で建て直す話をします。このときの様子はJohn 2(ヨハネの福音書第2章)に出ています。イエスさまが寺院の中で動物を売っている商人や両替をしている商人を追い出したあとで、恐らくその場に居合わせたサンヘドリンのメンバーが「このようなことをするのなら権威を示すためにしるしを見せよ」と言い寄ります。それに答えてイエスさまが言ったのが、John 2:19(ヨハネの福音書第2章第19節)です。「イエスは彼らに答えて言われた。「この神殿をこわしてみなさい。わたしは、三日でそれを建てよう。」」([新改訳])。ですがこの証言も死刑を求刑する証拠としては使い物になりませんでした。

第62節、しびれを切らした大祭司が自ら立ち上がり、直接イエスさまにたずねます。「さぁ、この告発に対して何も答えないのですか。あなた自身のために言わなければいけないことは何ですか。」 大祭司というのはイスラエルの宗教権威の頂点にいる存在なので、その大祭司が直接一人の被告人を問いただすというのは異例の事態でしょう。

第63節、しかしイエスさまは何も発言をせずに黙っています。大祭司に直接問われた被告が黙っている、というのも異例だと思います。そして最後の最後に大祭司自身から単刀直入の質問が出ます。「あなたは神さまの息子、救世主なのですか。」

第64節にあるイエスさまの答えは「あなたがそれを言ったのです。」です。ここは「マルコ」と異なります。マルコではイエスさまの答えは「わたしは、それです。」になっています。これは[NLT]だと「Jesus said, “I Am."」、[KJV]だと「And Jesus said, I am.」となっています。

「マルコ」でも解説していますが、これはたとえば「I am a boy.」という英文の最初の部分の「I am」です。ここの部分だけ取り出すと私たちにはうまく訳すことができませんが、「私は私であるものである」「私は私という存在である」みたいなニュアンスでしょうか。

この言葉は私たちには何のことだかさっぱりわかりませんが、実はユダヤ人にはピンと来る名乗り方なのです。ユダヤの歴史上、最大の預言者とされているモーゼが最初に神さまと出会う場面は、旧約聖書の中でも有名な「燃える柴」の場面です。モーゼはある日、ホレブ山中で柴が燃えているのを目撃しますが、その柴は確かに燃えているのにいつまでも燃え尽きません。不思議に思ったモーゼが近づいていくとそこで神さまの声を聞きます。神さまはモーゼにユダヤ人を導いてエジプトを脱出するようにと告げるのですが、モーゼは怖じ気づきます。そんなことをしても、ユダヤの長老たちはモーゼが誰に遣わされてそんなことを言いに来たのかと問うてきっと耳を貸さないだろう、と反論します。すると神さまが言います。Exodus 3:14(出エジプト記第3章第14節)です。「神はモーセに仰せられた。「わたしは、『わたしはある』という者である。」また仰せられた。「あなたはイスラエル人にこう告げなければならない。『わたしはあるという方が、私をあなたがたのところに遣わされた』と。」」([新改訳])。この場面で神さまが自分を名乗って言った『わたしはある』の部分、これがイエスさまが言った「I Am」なのです。つまりイエスさまは大祭司カヤパの「あなたは神さまの息子、救世主なのですか。」の問いに対し、自分が神さまであるかのように、神さま固有の名乗り方を使って肯定したことになります。

「マタイ」はこの部分だけを「あなたがそれを言ったのです。」に差し替えました。この「あなたがそれを言ったのです。」はマタイが創作した言葉ではなくて、福音書では他の箇所に登場する言葉です。それはこの後で行われる総督ピラトとイエスさまのやりとりの中に登場します。Matthew 27:11(マタイの福音書第27章第11節)です。[NLT]では「Now Jesus was standing before Pilate, the Roman governor. “Are you the king of the Jews?” the governor asked him. Jesus replied, “You have said it.”」となっています。これに[拙訳]をつけると「さてイエスさまはローマ総督のピラトの前に立っていました。総督はイエスさまにたずねました。『あなたはユダヤ人の王なのですか。』 イエスさまは答えました。『あなたがそれを言ったのです。』」

「あなたがそれを言ったのです。」の意味は、自分(イエスさま)がユダヤ人の王を名乗っているかどうかの問題ではなく、そう言って私に問いかけているのはあなたでしょう?というようなニュアンスだと思います。「マタイ」はまったくこれと同じ回答を使って、「マルコ」の「I Am」を差し替えています。

第64節でイエスさまが言った後半の部分、「そして将来、あなた方は、人の子が神さまの右側の力の座に着き、天の雲に乗って来るのを目撃します。」は、旧約聖書の中のダニエル書の第7章を想起させます。ここには「人の子」のような人物が天の雲に乗って来る様子が書かれていて、その人には「主権と光栄と国が与えられ、諸民、諸国、諸国語の者たちがことごとく、彼に仕えることになった。」とされています([新改訳])。これはいつか将来の時点、「終わりの日」に世の中に起こることを予告する黙示として信じられていました。

第65節、大祭司カヤパはイエスさまの言葉を聞いて嫌悪し、激怒します。大祭司は自分の着物を引き裂いて怒りを表現します。旧約聖書の中のユダヤ人は、神さまの期待に沿うことができない自分を不甲斐なく思い、自分の罪を悔いて悲しみを示すために、自分の衣を引き裂き、頭から灰をかぶって悲しみと苦悶を表現しましたが、イエスさまの時代には大祭司自らが、自分の怒りや嫌悪を示す目的で自分の着ている服を引き裂いてそれを表現することもあったのです。本来なら怒っているのは神さまであり、その前に慈悲と許しを乞うてひれ伏すのが人間であるはずなのに、ここでは大祭司があたかも神さまのように振る舞っています。

大祭司は「これは冒涜だ。」と叫び、集まった人たちも「有罪だ。彼は死刑に値する。」と叫んで判決が確定しました。するとイエスさまにつばを吐きかける者、こぶしで殴る者、平手で顔を打つ者などが現れます。こうなると裁判ではなくて集団によるリンチです。サンヘドリンの議員たちは表面上の取り繕いをやめて、私情をむき出しにしてイエスさまを辱めます。これが議員たちの本当の気持ちだったのです。

なお、「ヨハネ」では取り調べをしているのがアンナスとなっていて、アンナスがイエスさまをカヤパのところへ送っています。この二人はどちらも大祭司です。アンナスは西暦6~15年に大祭司を務め、その時点でローマ帝国から退位させられました。カヤパはアンナスの義理の息子で、西暦18~36(あるいは37)年までの大祭司に任命されています。ユダヤの律法では大祭司職は生涯職なので、在位の大祭司が死ぬときに次の大祭司が決まるのが通例なのですが、このときはローマ帝国が介在して無理矢理アンナスを退位させたのです。このことからユダヤ人の中にはカヤパを大祭司と認めず、相変わらずアンナスが正式の大祭司だと考える人がたくさんいて、アンナスのことを引き続き「大祭司」と呼んでいたのです。とは言っても支配国であるローマ帝国の手前、最終的な大祭司の権限は正式な大祭司であるカヤパが持ちましたからイエスさまは二人の大祭司から尋問を受けることになりました。「ヨハネ」の引用部分の最後に「アンナスはイエスを、縛ったままで大祭司カヤパのところに送った」とありますが、これは恐らく同じ屋敷内か隣接する屋敷の話です。


下の地図は逮捕時のイエスさまの経路です。上の俯瞰図は『Holman Bible Atlas』から、下のエルサレムの地図は『New Living Translation: Life Application Study Bible』からです。矢印は私が付けています。

overlook-4

passion-4







english1982 at 17:00│マタイの福音書 
マタイの福音書第26章第69節~第75節:ペテロがイエスさまを否定するマタイの福音書第26章第47節~第56節:イエスさまが裏切られ逮捕される