マタイの福音書:第13章マタイの福音書第12章第38節~第45節:ヨナのしるし

2015年12月20日

マタイの福音書第12章第46節~第50節:イエスさまの真の家族

第12章



(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)


The True Family of Jesus

イエスさまの真の家族


46 As Jesus was speaking to the crowd, his mother and brothers stood outside, asking to speak to him.

46 イエスさまが群衆に向かって話していると、イエスさまの母と兄弟たちが外に立って、イエスさまに話がしたいとたのんでいました。

47 Someone told Jesus, “Your mother and your brothers are outside, and they want to speak to you.”

47 だれかがイエスさまに言いました。「あなたの母さんと兄弟たちが外にいます。あなたに話がしたいそうです。」

48 Jesus asked, “Who is my mother? Who are my brothers?”

48 イエスさまはたずねました。「誰が私の母親ですか?誰が私の兄弟ですか?」

49 Then he pointed to his disciples and said, “Look, these are my mother and brothers.

49 それからイエスさまは弟子たちを指し示して言いました。「見なさい。これが私の母親であり、兄弟たちです。

50 Anyone who does the will of my Father in heaven is my brother and sister and mother!”

50 天国の私の父の意志をなす人は誰でも、私の兄弟であり、姉妹であり、母親なのです。」




ミニミニ解説

マタイの福音書、第12章の最後はイエスさまの家族の話です。

今回と同じ記述は、マルコとルカに見られます。マルコはMark 3:31-35(マルコの福音書第3章第31節~第35節です。「31 さて、イエスの母と兄弟たちが来て、外に立っていて、人をやり、イエスを呼ばせた。32 大ぜいの人がイエスを囲んですわっていたが、「ご覧なさい。あなたのお母さんと兄弟{と姉妹}たちが、外であなたをたずねています」と言った。33 すると、イエスは彼らに答えて言われた。「わたしの母とはだれのことですか。また、兄弟たちとはだれのことですか。」 34 そして、自分の回りにすわっている人たちを見回して言われた。「ご覧なさい。わたしの母、わたしの兄弟たちです。35 神のみこころを行なう人はだれでも、わたしの兄弟、姉妹、また母なのです。」([新改訳])。ルカはLuke 8:19-21(ルカの福音書第8章第19節~第21節です。「19 イエスのところに母と兄弟たちが来たが、群衆のためにそばへ近寄れなかった。20 それでイエスに、「あなたのお母さんと兄弟たちが、あなたに会おうとして、外に立っています」という知らせがあった。21 ところが、イエスは人々にこう答えられた。「わたしの母、わたしの兄弟たちとは、神のことばを聞いて行なう人たちです。」([新改訳])。「マタイ」・「ルカ」=「マルコ」+「Q資料」+「独自の資料」の公式にあてはめると、この部分は記述がほぼ同じ「マルコ」からの採用です。

たくさんの群衆が取り巻くイエスさまのところへ、イエスさまの母と兄弟たちが会いに来ます。イエスさまの母親は、もちろん処女懐胎でイエスさまを世に送り出したマリヤのことです。またイエスさまには兄弟と姉妹がいます(実際には複数の弟と複数の妹と思われます)。マリヤがイエスさまを世に送り出した後、マリヤは夫ヨセフとの間に複数の男の子と女の子を持ったのです。

Mark 6:1-3(マルコの福音書第6章第1節~第3節)に次の記述があります。これはイエスさまの郷里のナザレで、地元の人がイエスさまの権威ある話や奇跡の技を目撃しながら、どうしても信じられないでいる場面です。「1 イエスはそこを去って、郷里に行かれた。弟子たちもついて行った。2 安息日になったとき、会堂で教え始められた。それを聞いた多くの人々は驚いて言った。「この人は、こういうことをどこから得たのでしょう。この人に与えられた知恵や、この人の手で行なわれるこのような力あるわざは、いったい何でしょう。 3 この人は大工ではありませんか。マリヤの子で、ヤコブ、ヨセ、ユダ、シモンの兄弟ではありませんか。その妹たちも、私たちとここに住んでいるではありませんか。」こうして彼らはイエスにつまずいた。」([新改訳])。人々はイエスさまの話や奇跡に驚きながら、イエスさまを小さい頃から知っていることが障壁になって素直に信じることができません。ここにはイエスさまの四人の弟たちの名前が具体的に挙げられています。またイエスさまに複数の妹がいたこともわかります。

マリヤと弟たちはイエスさまのところへ、いったい何をしに来たのでしょうか。Mark 3:20-21(マルコの福音書第3章第20節~第21節)に次の記述があります。「20 イエスが家に戻られると、また大ぜいの人が集まって来たので、みなは食事する暇もなかった。21 イエスの身内の者たちが聞いて、イエスを連れ戻しに出て来た。「気が狂ったのだ」と言う人たちがいたからである。」([新改訳])。

これを読むと、どうやら家族はイエスさまの活動を好ましく思っておらず、連れ戻しに来たようです。家族はイエスさまの伝道の活動に理解を示していなかったのです。そんなこともあってか、イエスさまは「天国の私の父の意志をなす人は誰でも、私の兄弟であり、姉妹であり、母親なのです」と、自分の家族よりも、自分を信じる人々を褒め称え、養護する発言をしています。マタイの福音書が書かれていた当時(それはイエスさまの十字架のあとで数十年かが経った後です)、イエスさまの福音を伝えていた教会は、保守的なユダヤ教と真っ向から対立していました。家系やルールを重んじる保守的なユダヤ人のコミュニティで、イエスさまへの信仰を表明することは社会から追放されることを意味します。教会に集っていた人たちは、命がけの選択をしていたのです。そういう人たちにとって、イエスさまのこの言葉は大変力強く響いたことでしょう。

イエスさまの家族は、イエスさまの十字架の後で教会に所属しました。初期の教会はエルサレムでスタートするのですが、その中にマリヤが含まれていたことが、「Acts(使徒の働き)」に書かれています。また教会はエルサレムからスタートしてどんどん国内、国外へ広がっていくのですが、本拠地のエルサレムの教会のリーダー(牧師)になったのは、イエスさまの弟のヤコブです。家族は最終的にはイエスさまを信じてそれを行動に移していたのです。









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