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2015年12月24日

マタイの福音書第8章第14節~第17節:イエスさまがたくさんの人を癒す

第8章




(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)


Jesus Heals Many People

イエスさまがたくさんの人を癒す


14 When Jesus arrived at Peter’s house, Peter’s mother-in-law was sick in bed with a high fever.

14 イエスさまがペテロの家に着くと、ペテロの義理の母親が高熱を出して床についていました。

15 But when Jesus touched her hand, the fever left her. Then she got up and prepared a meal for him.

15 ところがイエスさまが義母の手に触れると熱がなくなりました。義母は起き上がり、イエスさまに食事を用意しました。

16 That evening many demon-possessed people were brought to Jesus. He cast out the evil spirits with a simple command, and he healed all the sick.

16 その夜、悪霊に取り憑かれた人たちがたくさん、イエスさまの所へ連れてこられました。イエスさまは、簡単な命令で悪霊を追い出し、病気の人たち全員を癒しました。

17 This fulfilled the word of the Lord through the prophet Isaiah, who said, “He took our sicknesses and removed our diseases.”

17 これは預言者イザヤを通して主が言われた事の実現です。「彼は私たちの病気をを取り除き、重病を取り去りました。」




ミニミニ解説

今回も引き続き、イエスさまがイスラエル北部のガリラヤ地方での伝道活動で本拠地を置いていたカペナウムの町での出来事です。

今回と同じ話は「マルコ」と「ヨハネ」に見られます。「マタイ」・「ルカ」=「マルコ」+「Q資料」+「独自の資料」の公式にあてはめると、「マルコ」から引用されたことになります。それぞれを見てみましょう。

「マルコ」は、Mark 1:29-34(マルコの福音書第1章第29節~第34節)です。「29 イエスは会堂を出るとすぐに、ヤコブとヨハネを連れて、シモンとアンデレの家に入られた。30 ところが、シモンのしゅうとめが熱病で床に着いていたので、人々はさっそく彼女のことをイエスに知らせた。31 イエスは、彼女に近寄り、その手を取って起こされた。すると熱がひき、彼女は彼らをもてなした。32 夕方になった。日が沈むと、人々は病人や悪霊につかれた人をみな、イエスのもとに連れて来た。33 こうして町中の者が戸口に集まって来た。34 イエスは、さまざまの病気にかかっている多くの人をいやし、また多くの悪霊を追い出された。そして悪霊どもがものを言うのをお許しにならなかった。彼らがイエスをよく知っていたからである。」([新改訳)。

「ルカ」は、Luke 4:38-41(ルカの福音書第4章第38節~第41節)です。「38 イエスは立ち上がって会堂を出て、シモンの家に入られた。すると、シモンのしゅうとめが、ひどい熱で苦しんでいた。人々は彼女のためにイエスにお願いした。39 イエスがその枕もとに来て、熱をしかりつけられると、熱がひき、彼女はすぐに立ち上がって彼らをもてなし始めた。40 日が暮れると、いろいろな病気で弱っている者をかかえた人たちがみな、その病人をみもとに連れて来た。イエスは、ひとりひとりに手を置いて、いやされた。41 また、悪霊どもも、「あなたこそ神の子です」と大声で叫びながら、多くの人から出て行った。イエスは、悪霊どもをしかって、ものを言うのをお許しにならなかった。彼らはイエスがキリストであることを知っていたからである。」([新改訳)。

どの福音書にもほぼ同じ内容が書かれていますが、「マタイ」に特徴的なのは、最後の第17節です。「マタイ」はこの出来事が旧約聖書の預言の実現だとしています。「マタイ」が引用しているのは、預言者イザヤが救世主のことを書いたIsaiah 53(イザヤ書第53章)の第4節の前半部分と思われます。「4 まことに、彼は私たちの病を負い、私たちの痛みをになった。だが、私たちは思った。彼は罰せられ、神に打たれ、苦しめられたのだと。」([新改訳)。「イザヤ書」では救世主は「私たちの病を負い、私たちの痛みをになった」となっていて、病人の病や痛みが救世主に転嫁される記述ですが、ペテロの家で行われた「癒し」では病は取り去られて消えています。「イザヤ書」のこの部分は、イエスさまの受難を書いた部分なので、今回の癒しの話を結びつけるのは少しニュアンスが異なる気がしました。

話が前後しますが今回の出来事があったのは、ガリラヤ湖北岸のカペナウムにあったペテロの家です。「マルコ」には「シモンとアンデレの家」と書かれていますから(シモンはペテロのことです)、ペテロとアンデレが兄弟で同じ家に住んでいたことがここからもわかります(二人はガリラヤ湖の漁師でした)。またペテロの家で床に伏せっていて、イエスさまが熱を取り去ったのは「シモンのしゅうとめ」と書かれており、[KJV]には「his wife's mother(彼の妻の母親)」となっていますから、ペテロはこの時点で既婚者だったこともわかります。

イエスさまの滞在するペテロの家にたくさんの人が集まってきます。イエスさまは病人に触れるだけですべての人の病を癒し、「出て行きなさい」と言うシンプルな命令で、取り憑いた悪霊を追い出してしまいます。イエスさまが追い出した悪霊は「霊(spirit)」です。霊は人に取り憑くことができます。旧約聖書には、一度は神さまのもとで高位の天使だったサタンが、野望を抱いて天から追放されて地に堕とされた下りが書かれている部分があります。このときにサタンに味方していた天の三分の一の天使たちも、一緒に地上に堕とされました。天使はもともと神さまに仕えさせるために神さまが創造した「霊」ですが、地上に堕とされた天使(堕天使)が悪霊(devil)と化したと解釈できます。








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