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2015年12月25日

マタイの福音書第7章第12節:黄金律

第7章


(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)


The Golden Rule

黄金律


12 “Do to others whatever you would like them to do to you. This is the essence of all that is taught in the law and the prophets.

12 あなた方が他の人たちからしてもらいたいことは何でも、ほかの人たちに対して行いなさい。これが律法と預言者の中で教えられていることすべての本質です。




ミニミニ解説

研究社の英和中辞典で「golden rule」を引くと、次のように書いてあります。〔聖〕 黄金律 (注聖書「マタイによる福音書」 7:12、「ルカ福音書」 6:31の教訓; 俗には 「Do as you would be done by.」(おのれの欲するところを人に施せ)と簡約される)。また、新明解国語辞典で「黄金律」を引くと、次のように書いてあります。新約聖書にあるイエスの山上の垂訓の一節「すべて人にせられんと思うことは人にもまたそのごとくせよ」を指す。

第12節にある、「自分が他人からしてもらいたいことを、他人に対して行いなさい」の教えのことを「黄金律(golden rule)」と言うのです。イエスさまは「これが律法と預言者の中で教えられていることすべての本質です」と言っていますが、「律法と預言者」と言うのは旧約聖書のことです。旧約聖書に収められているのは、モーゼ五書と呼ばれる律法の本5冊と、大小織り交ぜて17冊の預言者の本、他に歴史書12冊と、知恵の書5冊があって、全体で39冊の構成ですが、イエスさまはこれを「律法と預言者」と言い換えているのです。ですから、「自分が他人からしてもらいたいことを、他人に対して行いなさい」の黄金律は、旧約聖書に書かれていることの本質だ、とイエスさまは言っているのです。

これは特に新しい教えではないと思います。世の中で普通に親が子供に教えていることです。どちらかというと悪いことをしたときに「自分がされたくないことは、他の人にもやってはいけません!」と叱られる場面に登場しがちかも知れませんが、イエスさまは「~するな」と禁じているのではなく、「自分がしてもらいたいことを、他人に対して行いなさい」と、良いことを他者に対して行いなさいと言う、アクションを促す言葉で伝えています。自分は他の人からどんなことをされるときにうれしく感じるのか、それを考えて、見つかった答えを他の人に対して行いなさい、と言うのですね。Luke 6:38(ルカの福音書第6章第38節)には「与えなさい。そうすれば、自分も与えられます。人々は量りをよくして、押しつけ、揺すり入れ、あふれるまでにして、ふところに入れてくれるでしょう。あなたがたは、人を量る量りで、自分も量り返してもらうからです。」([新改訳])と書かれています。そうやって他の人に良かれと思って「与える」行動を起こせば、それに対する神さまからの見返りは、あふれるまでに増量されて戻って来ます。これは本当ですね。私は日々実感しています。

「黄金律(golden rule)」はLuke 6:31(ルカの福音書第6章第31節)には「自分にしてもらいたいと望むとおり、人にもそのようにしなさい」([新改訳])と書かれています。「マタイ」と「ルカ」の両方に登場しますから、これはイエスさまの説教を集めた「Q資料」に含まれていたと考えられます。節の後半の「これが律法と預言者の中で教えられていることすべての本質です」は、「マタイ」で独自に付け加えられたものかも知れません。

「マタイ」の第5章~第7章はイエスさまの語録集になっています。「黄金律」でインターネットを検索して私のブログを訪ねてくる人がたくさんいますが、この記事だけを読むと、聖書とは、ためになる教訓集のようなものだとの誤った印象を与えるかも知れません。そうではなくて、たまたま「マタイ」の第5章~第7章が、新約聖書の中で教訓集のように構成されている部分なのです。



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