マルコの福音書:第11章マルコの福音書第10章第35節~第45節:イエスさまが他の人たちに仕えることについて教える

2015年11月21日

マルコの福音書第10章第46節~第52節:イエスさまが目の不自由なバルテマイを癒す

第10章


 
 
(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)


Jesus Heals Blind Bartimaeus

イエスさまが目の不自由なバルテマイを癒す


46 Then they reached Jericho, and as Jesus and his disciples left town, a large crowd followed him. A blind beggar named Bartimaeus (son of Timaeus) was sitting beside the road.

46 それから一行はエリコに到着し、イエスさまと弟子たちがエリコの町を後にするときには、大きな群衆がイエスさまに着いてきました。バルテマイ(テマイの息子の意味)という名前の目の見えない乞食が道ばたに座っていました。

47 When Bartimaeus heard that Jesus of Nazareth was nearby, he began to shout, “Jesus, Son of David, have mercy on me!”

47 バルテマイはナザレのイエスさまが近くにいると聞くと「ダビデの子のイエスさま。私に憐れみをください。」と叫び始めました。

48 “Be quiet!” many of the people yelled at him. But he only shouted louder, “Son of David, have mercy on me!”

48 「静かにしなさい!」とたくさんの人たちが彼に大声で命じました。しかしバルテマイはいよいよ大声で叫びました。「ダビデの子よ、私を憐れんでください。」

49 When Jesus heard him, he stopped and said, “Tell him to come here.” So they called the blind man. “Cheer up,” they said. “Come on, he’s calling you!”

49 イエスさまはバルテマイの声を聞くと立ち止まって言いました。「彼にここへ来るように伝えなさい。」 そこで人々はその盲人を呼びました。「元気を出しなさい。来なさい。イエスさまがあなたを呼んでいます。」

50 Bartimaeus threw aside his coat, jumped up, and came to Jesus.

50 バルテマイは上着を傍らへ投げ捨て、飛び上がってイエスさまのところへ来ました。

51 “What do you want me to do for you?” Jesus asked. “My rabbi,” the blind man said, “I want to see!”

51 イエスさまはたずねました。「あなたのために私に何をして欲しいのですか。」 盲人は言いました。「私の先生、私は見たいのです。」

52 And Jesus said to him, “Go, for your faith has healed you.” Instantly the man could see, and he followed Jesus down the road.

52 イエスさまはバルテマイに言いました。「行きなさい。あなたの信仰があなたを癒したのです。」 その瞬間、バルテマイは見えるようになり、イエスさまの進む道に着いて行きました。




ミニミニ解説

エルサレムを目指すイエスさまはガリラヤ地方からユダヤ地方へ下って行って、一度ヨルダン側の東側へ行きましたが、再度ヨルダン川を西へ渡りエリコへ来ました。エリコはエルサレムの北東、20kmほどにある町です。

イエスさまの時代を1500年も遡った頃、ユダヤ民族はモーゼを引き継いだリーダーのヨシュアに率いられてパレスチナに入りました。そのときに最初に攻略した町がエリコです。ユダヤの民が城壁に囲まれたエリコのまわりを七周して雄叫びをあげると城壁が崩れ落ち、ユダヤの民族は易々とエリコを攻略したのです。「本当に?」と思われていたこの聖書物語ですが、近年、城壁が不自然な方向に崩れ落ちたエリコの遺跡が見つかって注目を集めたようです。1500年の時を経てイエスさまの時代のエリコはヘロデ大王が再建したリゾートの町だったようです。

道ばたに目の不自由なバルテマイが座っています。彼は物乞いをして暮らしているのです。当時はどの町にも物乞いが道ばたに座っていたようです。給金を得るための労働は、この当時は肉体労働に限られていたため、バルテマイのような目の不自由な人には仕事がなかったのです。

大きな群衆の気配を感じ取ったバルテマイは、それがイエスさまの一行だと知ると大きな声で叫び始めます。「ダビデの子のイエスさま。私に憐れみをください。」 エリコの道ばたに座っている盲人の物乞いでさえ、イエスさまのことを聞いて知っていたのです。きっとイエスさまが他の町で目の見えない人の目を開くなどの癒しの奇跡を行ったと聞いていたのでしょう。

バルテマイが使ったイエスさまの呼び名の「ダビデの子」は、イエスさまの時代から1000年ほど前にイスラエルの王であったダビデ王の子孫のことです。聖書では神さまがダビデ王の子孫に永遠の王座を約束しています。またIsaiah 9:6-7(イザヤ書第9章第6節~第7節)には次のような預言があります。「6 ひとりのみどりごが、私たちのために生まれる。ひとりの男の子が、私たちに与えられる。主権はその肩にあり、その名は「不思議な助言者、力ある神、永遠の父、平和の君」と呼ばれる。 7 その主権は増し加わり、その平和は限りなく、ダビデの王座に着いて、その王国を治め、さばきと正義によってこれを堅く立て、これをささえる。今より、とこしえまで。万軍の主の熱心がこれを成し遂げる。」([新改訳])。ですのでイエスさまを「ダビデの子」と呼ぶのは、聖書に約束された「救世主」と呼びかけているのと同じことです。

バルテマイが大きな声で叫び続けるので、周囲の人たちが静かにしろとたしなめますが、イエスさまはこれを聞きつけて「彼にここへ来るように伝えなさい。」とバルテマイを呼び寄せます。「救い」は求める者に与えられます。自分の「救い」を求めるのに周囲に対する遠慮は不要なのです。大きな声で神さまに「助けてください!」とお願いすれば良いのです。そうすればあとは神さまがすべて引き受けてくださいます。

第52節、イエスさまの癒しはすぐその場で完了します。状況はだんだん良くなるのではなくて、イエスさまの奇跡はいつも即座に完全に実現するのです。






english1982 at 17:00│マルコの福音書 
マルコの福音書:第11章マルコの福音書第10章第35節~第45節:イエスさまが他の人たちに仕えることについて教える