マルコの福音書第8章第11節~第21節:ファリサイ派が奇跡のしるしを求める、ファリサイ派とヘロデのパン種マルコの福音書:第8章

2015年11月23日

マルコの福音書第8章第1節~第10節:イエスさまが四千人に食べさせる

第8章



(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)


Jesus Feeds Four Thousand

イエスさまが四千人に食べさせる


1 About this time another large crowd had gathered, and the people ran out of food again. Jesus called his disciples and told them,

1 このころ、また大ぜいの群衆が集まり、人々に食べるものがなくなりました。イエスさまは弟子たちを呼んで言いました。

2 “I feel sorry for these people. They have been here with me for three days, and they have nothing left to eat.

2 「私はこの人たちをかわいそうに思います。この人たちは三日の間、私と一緒にいますが、もう食べる物を何も持っていません。

3 If I send them home hungry, they will faint along the way. For some of them have come a long distance.”

3 もし私が彼らを空腹のまま家に帰らせたら、きっと途中で気を失います。中には遠くから来た者たちもいるからです。」

4 His disciples replied, “How are we supposed to find enough food to feed them out here in the wilderness?”

4 弟子たちは答えました。「こんなへんぴな荒野で、どうやって彼らを食べさせるのに十分な食べ物を探せと言うのですか。」

5 Jesus asked, “How much bread do you have?” “Seven loaves,” they replied.

5 イエスさまがたずねました。「パンはどれぐらいありますか。」弟子たちは答えました。「七切れです。」

6 So Jesus told all the people to sit down on the ground. Then he took the seven loaves, thanked God for them, and broke them into pieces. He gave them to his disciples, who distributed the bread to the crowd.

6 そこでイエスさまは群衆全体に地面に座るように話しました。それから七つのパンを取り、神さまに感謝を捧げて、それを小さく裂きました。イエスさまはそれを弟子たちに渡し、弟子たちがパンを人々に配りました。

7 A few small fish were found, too, so Jesus also blessed these and told the disciples to distribute them.

7 小さな魚も少し見つかりましたので、イエスさまはやはり感謝を捧げてから弟子たちに配るようにと言いました。

8 They ate as much as they wanted. Afterward, the disciples picked up seven large baskets of leftover food.

8 人々は欲しいだけ食べました。後で弟子たちが残りの食べ物を拾い集めると七つの大きなかごが一杯になりました。

9 There were about 4,000 people in the crowd that day, and Jesus sent them home after they had eaten.

9 その日にはおよそ四千人の人々がいました。人々が食べた後でイエスさまは彼らを家へ帰らせました。

10 Immediately after this, he got into a boat with his disciples and crossed over to the region of Dalmanutha.

10 このすぐ後でイエスさまは弟子たちとともに舟に乗り、湖を渡ってダルマヌタ地方へ行きました。




ミニミニ解説

イエスさまが四千人に食べさせた奇跡の話です。これは第6章に書かれていた五千人に食べさせた奇跡の話とそっくりです。

五千人と四千人、五つのパンと七つのパン、二匹の魚と少しの魚、十二のかごと七つのかごと、少しずつ登場する数字が違うだけです。同じような奇跡が二回行われたのか、あるいは一つの奇跡の話が伝えられるうちに細部が異なる二つの話に分かれたのかはわかりません。

前回の五千人のときはイエスさまがガリラヤ地方で伝道活動をしていたときの話で、場所はガリラヤ湖の北岸のベツサイダの近郊です。なので奇跡のパンと魚を食べたのはユダヤ人です。今回はイエスさま一行がガリラヤ地方を出てさらに北部のツロやシドンを巡っていたときの話の後に挿入されているので、舞台はイエスさま一行がガリラヤ地方へ戻る途中、研究ではガリラヤ湖東方のデカポリスのあたりではないかとされ、そうすると今回奇跡のパンと魚を食べたのはユダヤ人ではなくて異邦人ということになります。 「マルコの福音書」は主にローマの異邦人に向けて書かれた本なので、イエスさまが異邦人に対して哀れみ深く接した話は福音を伝える上で効果的に受け入れられたのではないかと思います。

これらが二つの異なる奇跡だったのか、もともと一つの話だったのかは大きな問題ではないと思います。いくつかのパンと魚で空腹の数千人~数万人の群衆が満腹し、残った食べ物を拾い集めるとたくさんのかごが一杯になった。イエスさまから食べ物を手渡されて群衆へと配ったのは弟子たちです。そしてこの一部始終を群衆が見ていたのです。これは多数の目撃者を伴う、とんでもない奇跡のわざの記録です。






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マルコの福音書第8章第11節~第21節:ファリサイ派が奇跡のしるしを求める、ファリサイ派とヘロデのパン種マルコの福音書:第8章