2015年11月30日

マルコの福音書第1章第29節~第39節:イエスさまがたくさんの人々を癒す、イエスさまがガリラヤ地方で教える

第1章



(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)


Jesus Heals Many People

イエスさまがたくさんの人々を癒す


29 After Jesus left the synagogue with James and John, they went to Simon and Andrew’s home.

29 イエスさまはヤコブとヨハネを連れて会堂を出ると、シモンとアンデレの家に行きました。

30 Now Simon’s mother-in-law was sick in bed with a high fever. They told Jesus about her right away.

30 そのときシモンの義母は高熱を出して床に伏していました。弟子たちはさっそく彼女のことをイエスさまに話しました。

31 So he went to her bedside, took her by the hand, and helped her sit up. Then the fever left her, and she prepared a meal for them.

31 そこでイエスさまは彼女の病床へ行き、手を取って助け起こしました。すると熱が引いて彼女は人々の食事を作りました。

32 That evening after sunset, many sick and demon-possessed people were brought to Jesus.

32 夜になって日が沈むと、たくさんの病人や悪霊に取り憑かれた人々がイエスさまのもとへ連れて来られました。

33 The whole town gathered at the door to watch.

33 町中の人たちが戸口に見物に来ました。

34 So Jesus healed many people who were sick with various diseases, and he cast out many demons. But because the demons knew who he was, he did not allow them to speak.

34 そこでイエスさまはさまざまの病気にかかっているたくさんの人を癒し、たくさんの悪霊を追い出しました。しかし悪霊たちはイエスさまが誰なのかを知っていたので、イエスさまは悪霊たちが話すのを許しませんでした。



Jesus Preaches in Galilee

イエスさまがガリラヤ地方で教える


35 Before daybreak the next morning, Jesus got up and went out to an isolated place to pray.

35 翌朝まだ夜が明ける前にイエスさまは起きて、お祈りのために離れたところへ出て行きました。

36 Later Simon and the others went out to find him.

36 後からシモンと他の弟子たちがイエスさまを探しに出てきました。

37 When they found him, they said, “Everyone is looking for you.”

37 弟子たちはイエスさまを見つけると言いました。「みながあなたを捜しています。」

38 But Jesus replied, “We must go on to other towns as well, and I will preach to them, too. That is why I came.”

38 ですがイエスさまは答えました。「我々は他の町にも行かなければなりません。そこでも私は人々に教えるのです。私はそのために来たのです。」

39 So he traveled throughout the region of Galilee, preaching in the synagogues and casting out demons.

39 そしてイエスさまはガリラヤ地方全体をまわり、会堂で教え、悪魔を追い出しました。




ミニミニ解説

第29節、前回「黙りなさい。この人から出て行きなさい」の言葉で悪霊を追い出して、人々を驚かせたイエスさまは、会堂を出て「シモンとアンデレの家に」行きます。シモンはペテロのことで、ペテロとアンデレは兄弟です。そこにはペテロの義母(mother-in-law)がいて高熱を出しています。つまりペテロは既婚者で、奥さんのお母さんが病気だったのです。

第31節、イエスさまがペテロの義母を助け起こすと熱が引いてしまいます。このときの様子をマタイの福音書はイエスさまが義母に触れると熱が引いた(第8章第14節~第15節)、ルカの福音書はイエスさまが熱を叱りつけると熱が引いた(第4章第38節~第39節)と書いています。そしてペテロの義母は食事の用意を始めます。「病み上がりなのに」という心配は無用のようです。イエスさまの癒しは病気を少し回復させるとか病状を改善させるような癒しではなくて、病気の痕跡がまったくない完全な健康体にしてしまうからです。

第32節、夜になると人々が続々とペテロの家のイエスさまのところへ集まってきます。病気の人や悪霊に取り憑かれた人を連れてきたのです。この日は安息日(土曜日)です。安息日には成人の男子が礼拝や学びのために会堂に集まるので、イエスさまは会堂へ行って教えたのでした(第21節)。ユダヤの人たちにとっては日没になるとその日が終わり、次の日が始まります。安息日には人々は労働を禁じられています。決められた距離以上を歩くことも労働とみなされて禁じられていました。「癒し」の行為も労働にあたります。それで人々は日没が来て安息日が明けるのを待っていたのです。

第33節には町中の人たちが集まってきたと書いてあります。そして第34節、イエスさまは多くの人たちが見ているその前でたくさんの人たちの病気を癒し(前述のように瞬時に跡形もなく完治させてしまいます)、たくさんの悪霊を追い出します。

第34節、ここでもイエスさまは悪霊たちが自分の正体を明かすことを禁じています。それはなぜでしょうか。地上に立ったイエスさまが、救世主としての自分の使命を果たす日はあらかじめ決められています。その日が来るまでイエスさまが神さまの子であることはできるだけ伏せておきたかったのでしょうか。

でも人々がイエスさまのところへ集まってくるのはなぜでしょう。人々は重い病気や悪霊の憑依に苦しんで長い間生きてきたので、最後の一縷の望みをかけて藁にもすがる気持ちでイエスさまの癒しを求めたのです。またこの後の話では人々がイエスさまが食物をくれるからという理由でイエスさまを追いかけまわしたりもします。つまり人々がイエスさまを求めるのは、イエスさまが神さまの子、救世主だからという理由ではなくて、自分を苦しみから解放し自分の空腹を満たしてくれる人ならそれは誰でも良かったのです。イエスさまは病気を治した人や悪霊を追い出した人にも奇跡について言いふらすな、と口止めをする場面がありますが、ここでもイエスさまは人々が自分を求める理由が神さまの意図から外れることを嫌ったことがわかります。

第35節、夜明け前にイエスさまはひとりきりになってお祈りをしています。罪がなく神さまと100%つながっているイエスさまは、24時間神さまと交信できている、神さまの意図を確認して100%そのとおりに行動できている、そんな状態にあったと想像できますが、そんなイエスさまでさえひとりきりになってわざわざお祈りの時間を確保するのです。日常生活の中でついつい神さまの存在を忘れてしまいがちな私たちが、毎日のスケジュールの中でお祈りの時間をその目的だけのために確保していかなければ、神さまとの関係を良好に保つのは難しいのではないでしょうか。

すると弟子たちがやってきて「みながあなたを捜しています」と言います。病気を癒し、悪霊を追い出すイエスさまをたくさんの人が必死に追いかけているのです。人々は弟子たちに「先生はどこだ!先生を出せ!」と詰め寄ったのではないでしょうか。病気や悪霊に長い間苦しんできた人たちですからその願いは切実です。ですがイエスさまは次の町へ行く、それが自分が来た理由だから、と言います。そうやってイスラエル北部のガリラヤ地方の町を次から次へと回って行ったのです。イエスさまのまわりにはいつもたくさんの人が集まり、旅の一団はどんどん大きくなっていきます。






english1982 at 18:00│マルコの福音書