2015年08月09日
使徒の働き第23章第12節~第22節:パウロを殺す計画
第23章
(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)
The Plan to Kill Paul
パウロを殺す計画
12 The next morning a group of Jews got together and bound themselves with an oath not to eat or drink until they had killed Paul.
12 翌朝、何名かのユダヤ人が集まり、パウロを殺してしまうまで飲み食いしないと誓いを立てました。
13 There were more than forty of them in the conspiracy.
13 この陰謀には四十人以上が加わりました。
14 They went to the leading priests and elders and told them, “We have bound ourselves with an oath to eat nothing until we have killed Paul.
14 彼らは祭司長たちと長老たちのところに行って言いました。「私たちはパウロを殺すまでは何も食べないと誓約を立てました。
15 So you and the high council should ask the commander to bring Paul back to the council again. Pretend you want to examine his case more fully. We will kill him on the way.”
15 そこであなた方と最高議会は、パウロを議会に連れ戻すように指揮官に頼んでください。あなた方がパウロの件でもっと詳しく調べたいと装うのです。私たちはその途上でパウロを殺します。」
16 But Paul’s nephew -- his sister’s son -- heard of their plan and went to the fortress and told Paul.
16 しかしパウロの姉妹の子の甥が、この人たちの計画を耳にして要塞に行き、パウロに伝えました。
17 Paul called for one of the Roman officers and said, “Take this young man to the commander. He has something important to tell him.”
17 パウロはローマ軍の士官のひとりを呼んで言いました。「この若者を指揮官のところへ連れて行きなさい。指揮官に伝えるべき大事なことを知っています。」
18 So the officer did, explaining, “Paul, the prisoner, called me over and asked me to bring this young man to you because he has something to tell you.”
18 そこで士官はそのとおりにして、説明しました。「囚人のパウロが私を呼んで、この若者をあなたのところへ連れて行くように頼みました。あなたにお話しすることがあるとのことです。」
19 The commander took his hand, led him aside, and asked, “What is it you want to tell me?”
19 指揮官は若者の手を取り、横に連れて行き、たずねました。「私に伝えたいこととは何か。」
20 Paul’s nephew told him, “Some Jews are going to ask you to bring Paul before the high council tomorrow, pretending they want to get some more information.
20 パウロの甥は指揮官に話しました。「ユダヤ人の何名かが、パウロを明日最高議会の前に立たせるように頼むでしょう。彼らはもっと情報が欲しいと見せかけます。
21 But don’t do it! There are more than forty men hiding along the way ready to ambush him. They have vowed not to eat or drink anything until they have killed him. They are ready now, just waiting for your consent.”
21 ですがそうしてはいけません。四十人以上の者が途上に隠れ、待ち伏せして襲おうと準備しています。彼らはパウロを殺すまでは何も飲み食いしないと誓ったのです。彼らはすでに準備を整えて、あなたの承諾を待っています。」
22 “Don’t let anyone know you told me this,” the commander warned the young man.
22 指揮官は若者に警告しました。「あなたがこのことを私に知らせたと、誰にも知られてはいけません。」
ミニミニ解説
「使徒の働き」の第23章です。
第三回目の伝道旅行を終えたパウロはエルサレムに戻り、エルサレムの教会でヤコブと長老たちに旅の報告をしました。パウロはそこでヤコブたちから、パウロが律法に背くように人々に教える背信者であるとの噂が流れていると聞かされます。パウロはヤコブたちの提案に従い、ナジル人の誓願を立てていた他の四人と共に、寺院で清めといけにえを捧げる儀式に参加して、自分がユダヤの律法を遵守することをアピールしようと試みますが、寺院でパウロを目撃したアジヤ州から来たユダヤ人が暴動を扇動し、これがエルサレム中を巻き込む騒ぎへと発展しました。パウロは危うく殺されかける寸前に、報告を聞いて駆けつけたローマ帝国軍の指揮官に命を救われました。
指揮官は祭司長たちに最高議会を開くように要請し、パウロはユダヤの最高議会であるサンヘドリンの前に立ちました。パウロは議会にファリサイ派とサドカイ派が含まれていることに着目し、「私は死者の復活という望みのことで、さばきを受けている」と発言して両派を衝突させ、議会を混乱に陥れてその場を脱出します。結果、議会はパウロに有罪を宣告することが出来ませんでした。
今回は何としてもパウロを殺したいユダヤ人たち四十人以上が共謀し、パウロを殺すまでは飲み食いをしないとの誓約を立てます。パウロがローマ帝国軍の要塞の中にいては手出しが出来ないため、彼らは再度パウロを最高議会の前に立たせることの承諾を指揮官から引き出し、要塞から最高議会へ向かう途上で待ち伏せをしてパウロを殺そうとします。が、この計画はパウロの甥から外へ漏れて、ローマ帝国軍の指揮官に事前に通報されました。
english1982 at 21:00│使徒の働き