2015年08月11日

使徒の働き第21章第15節~第25節:パウロがエルサレムに到着する

第21章




(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)


Paul Arrives at Jerusalem

パウロがエルサレムに到着する


15 After this we packed our things and left for Jerusalem.

15 この後、私たちは荷造りをしてエルサレムへ向けて出発しました。

16 Some believers from Caesarea accompanied us, and they took us to the home of Mnason, a man originally from Cyprus and one of the early believers.

16 カイザリヤの信者たちが何名か私たちに同行して、元々キプロスの出身で初期からの信者のひとりであるマナソンの家まで連れて行ってくれました。

17 When we arrived, the brothers and sisters in Jerusalem welcomed us warmly.

17 私たちが到着すると、エルサレムの兄弟、姉妹たちは私たちを温かく迎えてくれました。

18 The next day Paul went with us to meet with James, and all the elders of the Jerusalem church were present.

18 翌日、パウロは私たちと共にヤコブに会いに行きました。そこにはエルサレムの教会の長老全員がいました。

19 After greeting them, Paul gave a detailed account of the things God had accomplished among the Gentiles through his ministry.

19 彼らにあいさつをした後で、パウロは自分の仕事を通じて、神さまが異邦人の間で達成されたことを詳細に説明しました。

20 After hearing this, they praised God. And then they said, “You know, dear brother, how many thousands of Jews have also believed, and they all follow the law of Moses very seriously.

20 これを聞いて彼らは神さまを褒め称えました。それから彼らは言いました。「親愛なる兄弟よ、あなたも知ってのとおり、何千人というユダヤ人もやはり信じました。彼らはみなモーゼの律法を本気で守っています。

21 But the Jewish believers here in Jerusalem have been told that you are teaching all the Jews who live among the Gentiles to turn their backs on the laws of Moses. They’ve heard that you teach them not to circumcise their children or follow other Jewish customs.

21 ところがここエルサレムのユダヤ人の信者たちは、あなたが異邦人と共に住むユダヤ人すべてにモーゼの律法に背を向けよと教えていると、聞かされてきています。彼らはあなたがユダヤ人たちに子供に割礼を施すなとか、他のユダヤの習慣に従えと教えていると聞いています。

22 What should we do? They will certainly hear that you have come.

22 それで私たちはどうしましょうか。あなたが来たことは必ず彼らの耳に入ります。

23 “Here’s what we want you to do. We have four men here who have completed their vow.

23 これが私たちがあなたにしてもらいたいことです。私たちの中に誓いを完遂した者が四人います。

24 Go with them to the Temple and join them in the purification ceremony, paying for them to have their heads ritually shaved. Then everyone will know that the rumors are all false and that you yourself observe the Jewish laws.

24 この四人と寺院へ行って彼らの清めの儀式に加わり、彼らが儀式に沿って頭を剃る費用を出してやりなさい。そうすれば噂がすべて偽りで、あなた自身がユダヤの律法を遵守するとみなが知ることになるでしょう。

25 “As for the Gentile believers, they should do what we already told them in a letter: They should abstain from eating food offered to idols, from consuming blood or the meat of strangled animals, and from sexual immorality.”

25 異邦人の信者については、彼らは私たちがすでに手紙で伝えたことをすべきです。つまり偶像に捧げた食べ物を食べること、血と絞め殺した動物を食べること、性的な不品行を避けることです。」




ミニミニ解説

「使徒の働き」の第21章です。

パウロの第3回目の伝道旅行が終わります。

今回の旅でパウロはギリシヤのコリントに三ヶ月滞在したところで旅行は帰路に入り、まず陸路をマケドニヤのピリピまで北上し、ピリピから船でエーゲ海を渡り、再び小アジアのトロアスに至りました。トロアスではルカが合流して、ここから行動を共にします。一行はトロアスの南のアソスから船に乗り、小アジアの西の海岸を南下してミレトに着きます。パウロはここにエペソの教会の長老たちを呼び寄せて話を聞かせました。ミレトを出た船はコス島、ロードス島を経由して、小アジア南岸の港湾都市パタラに着き、ここで船を乗り換え、船はキプロス島の南を通過してシリヤのツロに着きました。船は地中海を南下して、ツロ、トレマイ(プトレマイス)、カイザリヤへと進みました。カイザリヤではピリポの家に滞在しました。

今回はカイザリヤから陸路を旅行して、一行はついにエルサレムに至りました。エルサレムではマナソンという信者の家に滞在したようです。

第18節~第19節、パウロはエルサレムの教会を訪ねます。教会のリーダーはイエスさまの弟のヤコブで、そこにはエルサレムの教会の長老が全員同席しています。パウロが伝道旅行の一部始終を子細に説明すると、教会の長老たちは神さまを褒め称えます。

第20節からは不穏な話になります。ここエルサレムでもユダヤ人信者の間ではパウロの評判はよろしくないのです。パウロはユダヤ人たちにモーゼの律法に背を向けよ、子供に割礼を施すな、他のユダヤの習慣に従えと教えている背教者だと噂されているのです。このままではすぐにパウロが見つけられて、ひどい目に遭わされることは避けられそうもありません。

第23節~第24節でヤコブと長老たちがパウロに勧めているのは、寺院である儀式に参加せよと言うことです。これは第18章でも一度説明した「ナジル人の誓願」に関する儀式と思われます。旧約聖書のNumbers 6:1-21(民数記第6章第1節~第21節)に詳しく書かれています。長いですが引用します。

「1 主はモーセに告げて仰せられた。2 「イスラエル人に告げて言え。男または女が主のものとして身を聖別するため特別な誓いをして、ナジル人の誓願を立てる場合、3 ぶどう酒や強い酒を断たなければならない。ぶどう酒の酢や強い酒の酢を飲んではならない。ぶどう汁をいっさい飲んではならない。ぶどうの実の生のものも干したものも食べてはならない。4 彼のナジル人としての聖別の期間には、ぶどうの木から生じるものはすべて、種も皮も食べてはならない。5 彼がナジル人としての聖別の誓願を立てている間、頭にかみそりを当ててはならない。主のものとして身を聖別している期間が満ちるまで、彼は聖なるものであって、頭の髪の毛をのばしておかなければならない。6 主のものとして身を聖別している間は、死体に近づいてはならない。7 父、母、兄弟、姉妹が死んだ場合でも、彼らのため身を汚してはならない。その頭には神の聖別があるからである。8 彼は、ナジル人としての聖別の期間は、主に聖なるものである。9 もしだれかが突然、彼のそばで死んで、その聖別された頭を汚した場合、彼は、その身をきよめる日に頭をそる。すなわち七日目にそらなければならない。10 そして八日目に山鳩二羽か家鳩のひな二羽を会見の天幕の入口の祭司のところに持って来なければならない。11 祭司はその一羽を罪のためのいけにえとし、他の一羽を全焼のいけにえとしてささげ、死体によって招いた罪について彼のために贖いをし、彼はその日にその頭を聖なるものとし、12 ナジル人としての聖別の期間をあらためて主のものとして聖別する。そして一歳の雄の子羊を携えて来て、罪過のためのいけにえとする。それ以前の日数は、彼の聖別が汚されたので無効になる。13 これがナジル人についてのおしえである。ナジル人としての聖別の期間が満ちたときは、彼を会見の天幕の入口に連れて来なければならない。14 彼は主へのささげ物として、一歳の雄の子羊の傷のないもの一頭を全焼のいけにえとして、また一歳の雌の子羊の傷のないもの一頭を罪のためのいけにえとして、また傷のない雄羊一頭を和解のいけにえとして、15 また種を入れないパン一かご、油を混ぜた小麦粉の輪型のパン、油を塗った種を入れないせんべい、これらの穀物のささげ物と注ぎのささげ物を、ささげなければならない。16 祭司はこれらのものを主の前にささげ、罪のためのいけにえと全焼のいけにえとをささげる。17 雄羊を和解のいけにえとして、一かごの種を入れないパンに添えて主にささげ、さらに祭司は穀物のささげ物と注ぎのささげ物をささげる。18 ナジル人は会見の天幕の入口で、聖別した頭をそり、その聖別した頭の髪の毛を取って、和解のいけにえの下にある火にくべる。19 祭司は煮えた雄羊の肩と、かごの中の種を入れない輪型のパン一個と、種を入れないせんべい一個を取って、ナジル人がその聖別した髪の毛をそって後に、これらをその手の上に載せる。20 祭司はこれらを奉献物として主に向かって揺り動かす。これは聖なるものであって、奉献物の胸、奉納物のももとともに祭司のものとなる。その後に、このナジル人はぶどう酒を飲むことができる。21 これがナジル人についてのおしえである。ナジル人としての聖別に加えて、その人の及ぶ以上に主へのささげ物を誓う者は、ナジル人としての聖別のおしえに加えて、その誓った誓いのことばどおりにしなければならない。」」([新改訳])。

第13節から「ナジル人としての聖別の期間が満ちたときは」として、誓願を立てた人が寺院に参拝して定められた儀式を行わなければならないことになっています。第18節には「ナジル人は会見の天幕の入口で、聖別した頭をそり、その聖別した頭の髪の毛を取って、和解のいけにえの下にある火にくべる」とありますから、これが今回の第24節にあった「彼らが儀式に沿って頭を剃る費用を出してやりなさい」の部分でしょう。パウロ自身も伝道旅行に出るにあたってナジル人の誓願を立てていたようですので、この四人の信者と共に寺院でここに書かれた律法を忠実に実践している姿を示せば、人々はパウロ自身が律法の遵守に熱心であることを知るであろう、と言うのです。果たしてこれでうまく行くでしょうか。

第25節に書かれている異邦人の信者についての話は、以前に「割礼派」(ユダヤ主義)についてシリアのアンテオケの教会から来ているパウロと、エルサレムの教会が対立したときに、エルサレムの教会のリーダーとしてヤコブが到達した結果を異邦人の信者たちに書き送った手紙のことです。 Acts 15:22-29(使徒の働き第15章第22節~第29節)です。

「22 そこで使徒たちと長老たち、また、全教会もともに、彼らの中から人を選んで、パウロやバルナバといっしょにアンテオケへ送ることを決議した。選ばれたのは兄弟たちの中の指導者たちで、バルサバと呼ばれるユダおよびシラスであった。23 彼らはこの人たちに託して、こう書き送った。「兄弟である使徒および長老たちは、アンテオケ、シリヤ、キリキヤにいる異邦人の兄弟たちに、あいさつをいたします。24 私たちの中のある者たちが、私たちからは何も指示を受けていないのに、いろいろなことを言ってあなたがたを動揺させ、あなたがたの心を乱したことを聞きました。25 そこで、私たちは人々を選び、私たちの愛するバルナバおよびパウロといっしょに、あなたがたのところへ送ることに衆議一決しました。26 このバルナバとパウロは、私たちの主イエス・キリストの御名のために、いのちを投げ出した人たちです。27 こういうわけで、私たちはユダとシラスを送りました。彼らは口頭で同じ趣旨のことを伝えるはずです。28 聖霊と私たちは、次のぜひ必要な事のほかは、あなたがたにその上、どんな重荷も負わせないことを決めました。29 すなわち、偶像に供えた物と、血と、絞め殺した物と、不品行とを避けることです。これらのことを注意深く避けていれば、それで結構です。以上。」」([新改訳])。




english1982 at 21:00│使徒の働き