2015年08月11日

使徒の働き第21章第1節~第14節:パウロのエルサレムへの旅

第21章




(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)


Paul’s Journey to Jerusalem

パウロのエルサレムへの旅


1 After saying farewell to the Ephesian elders, we sailed straight to the island of Cos. The next day we reached Rhodes and then went to Patara.

1 エペソの長老たちに別れを告げた後、私たちはコス島へまっすぐに航海しました。翌日には私たちはロドスに着き、それからパタラへ行きました。

2 There we boarded a ship sailing for Phoenicia.

2 そこでフェニキヤ行きの船に乗りました。

3 We sighted the island of Cyprus, passed it on our left, and landed at the harbor of Tyre, in Syria, where the ship was to unload its cargo.

3 私たちはキプロス島を見つけ、それを左に通り越して、シリヤのツロの港に着きました。そこで船は積み荷を降ろすことになっていました。

4 We went ashore, found the local believers, and stayed with them a week. These believers prophesied through the Holy Spirit that Paul should not go on to Jerusalem.

4 私たちは上陸して土地の信者たちを見つけ、彼らのところに一週間滞在しました。信者たちは聖霊によって預言し、パウロはエルサレムに行くべきではないと言いました。

5 When we returned to the ship at the end of the week, the entire congregation, including women and children, left the city and came down to the shore with us. There we knelt, prayed,

5 一週間の終わりに私たちが船に戻ると、女性も子供も含めて会衆の全員が、町を出て私たちと一緒に海岸まで来ました。私たちはひざまずいてお祈りしました。

6 and said our farewells. Then we went aboard, and they returned home.

6 そして別れを告げました。それから私たちは船に乗り、彼らは家へ帰りました。

7 The next stop after leaving Tyre was Ptolemais, where we greeted the brothers and sisters and stayed for one day.

7 ツロを出て、次の停泊地はトレマイでした。私たちはそこで兄弟、姉妹とあいさつを交わし、一日滞在しました。

8 The next day we went on to Caesarea and stayed at the home of Philip the Evangelist, one of the seven men who had been chosen to distribute food.

8 翌日私たちはカイザリヤへ行き、伝道者ピリポの家に滞在しました。ピリポは食料を配分するのに選ばれた七人のうちのひとりです。

9 He had four unmarried daughters who had the gift of prophecy.

9 ピリポには預言の能力を得た未婚の娘が四人いました。

10 Several days later a man named Agabus, who also had the gift of prophecy, arrived from Judea.

10 何日かして、やはり預言の能力を持つアガボという人がユダヤから到着しました。

11 He came over, took Paul’s belt, and bound his own feet and hands with it. Then he said, “The Holy Spirit declares, ‘So shall the owner of this belt be bound by the Jewish leaders in Jerusalem and turned over to the Gentiles.’”

11 アガボは私たちのところに来て、パウロの帯を取り、それで自分の両足と両手を縛りました。そして言いました。「聖霊が言っています。『この帯の持ち主はエルサレムでユダヤ人の指導者たちに縛られ、異邦人に引き渡される。』」

12 When we heard this, we and the local believers all begged Paul not to go on to Jerusalem.

12 私たちはこれを聞くと、土地の信者たちと全員で、パウロにエルサレムに行かないようにと頼みました。

13 But he said, “Why all this weeping? You are breaking my heart! I am ready not only to be jailed at Jerusalem but even to die for the sake of the Lord Jesus.”

13 しかしパウロは言いました。「泣くとはどういうことですか。あなた方は私の心を切り裂いています。私はエルサレムで投獄されることはもちろん、主イエスさまのために死ぬことさえ準備できています。」

14 When it was clear that we couldn’t persuade him, we gave up and said, “The Lord’s will be done.”

14 私たちにはパウロを説得できないとわかると、私たちはあきらめて言いました。「主の意志がなされますように。」




ミニミニ解説

「使徒の働き」の第21章です。

パウロの第3回目の伝道旅行が終わろうとしています。ギリシヤのコリントに三ヶ月滞在した後、伝道旅行は帰路に入り、パウロは陸路をマケドニヤのピリピまで北上し、ピリピから船でエーゲ海を渡り、再び小アジアのトロアスに至りました。トロアスでは「ルカの福音書」と「使徒の働き」を記したルカ自身が合流しています。一行はトロアスの南のアソスから船に乗り、小アジアの西の海岸を南下してミレトに着きます。パウロはここにエペソの教会の長老たちを呼び寄せて話を聞かせました。今回はこの続きです。

ミレトを出た船はコス島、ロードス島を経由して、小アジア南岸の港湾都市パタラへ着き(遺跡があります)、ここでフェニキヤ(ほぼ現レバノンにあたる)行きの船に乗り換えます。船はキプロス島の南を通過して、シリヤのツロに着きます。ツロは現レバノンのスールのことですが、私たちは世界史でフェニキヤ人の都市ティルスとして学習しています。シドン(現レバノンのサイダ)と共に学習しますね。船は地中海を南下して、ツロ、トレマイ(プトレマイス)、カイザリヤへと進みます。カイザリヤの町はイエスさまのガリラヤ地方の伝道でも登場しました。ここからは陸路になります。

カイザリヤにはピリポの家がありました。ピリポは第6章でディアスポラ系のギリシヤ語を話すユダヤ人の教会のリーダーとして選ばれた七人のうちのひとりです。第7章で同じ七人のリーダーの筆頭格のステパノが殺され、第8章の冒頭でキリスト教に対する迫害がエルサレムで起こると、ピリポはエルサレムを出てまず北のサマリヤへ向かい、そこで伝道します。次にピリポはエルサレムの南方、ガザに向かう道へと導かれ、そこでエチオピヤの女王カンダケに仕える宦官を主に導きました。その部分の最後、Acts 8:40(使徒の働き第8章第40節)には「それからピリポはアゾトに現われ、すべての町々を通って福音を宣べ伝え、カイザリヤに行った。」([新改訳])と書かれていましたから、これ以降、カイザリヤに滞在して伝道活動の拠点にしていたということでしょう。

ユダヤからやって来た預言者アガボという人物も含め、すべての人たちがパウロの苦難を予告し、エルサレム行きに反対しますが、パウロの意志は固く、これを覆すことはできません。



english1982 at 22:00│使徒の働き