2015年08月22日

使徒の働き第10章第34節~第48節:異邦人が福音を聞く、異邦人が聖霊を受ける

第10章




(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)


The Gentiles Hear the Good News

異邦人が福音を聞く


34 Then Peter replied, “I see very clearly that God shows no favoritism.

34 ペテロは答えて言いました。「私にははっきりわかります。神さまは、えこひいいきはしないのです。

35 In every nation he accepts those who fear him and do what is right.

35 どんな国の人でも、神さまを畏れ正しいことを行なう人を、神さまは受け入れるのです。

36 This is the message of Good News for the people of Israel -- that there is peace with God through Jesus Christ, who is Lord of all.

36 これがイスラエルの人々に示された良い知らせです。それはすべての人の主であるイエス・キリストを通じて、神さまとの間に平和があることです。

37 You know what happened throughout Judea, beginning in Galilee, after John began preaching his message of baptism.

37 あなた方はユダヤ全土に起こった事をよくご存じですね。ガリラヤから始まり、ヨハネが洗礼のメッセージを宣べ伝えた後のことです。

38 And you know that God anointed Jesus of Nazareth with the Holy Spirit and with power. Then Jesus went around doing good and healing all who were oppressed by the devil, for God was with him.

38 あなた方は神さまがナザレのイエスに聖霊と力の油を注いだことを知っています。それからイエスさまは各地を巡り歩き、善いことをして、悪魔に支配されていた人をすべて癒されました。それは神さまがイエスさまと共におられたからです。

39 “And we apostles are witnesses of all he did throughout Judea and in Jerusalem. They put him to death by hanging him on a cross,

39 そして私たち使徒はイエスさまがユダヤとエルサレムで行なったすべての事柄の目撃者です。人々はイエスさまを十字架に掛けて殺しました。

40 but God raised him to life on the third day. Then God allowed him to appear,

40 しかし神さまはイエスさまを三日目によみがえらせました。そして神さまはイエスさまを現わしてくださったのです。

41 not to the general public, but to us whom God had chosen in advance to be his witnesses. We were those who ate and drank with him after he rose from the dead.

41 それは一般の人々に対してではなく、神さまが前もって証人とするために選んだ私たちに対してです。私たちはイエスさまが死者の中からよみがえった後に一緒に食べたり飲んだりしたのです。

42 And he ordered us to preach everywhere and to testify that Jesus is the one appointed by God to be the judge of all -- the living and the dead.

42 そしてイエスさまは私たちに、あらゆる場所で宣べ伝え、そしてイエスさまが、生きている者も死んだ者も、すべての人の裁判官として神さまに任命された方であることを証言をするようにと命じられたのです。

43 He is the one all the prophets testified about, saying that everyone who believes in him will have their sins forgiven through his name.”

43 イエスさまは、あらゆる預言者たちが、その人を信じる者は誰でも、その名前を通じて罪が許される、と証言した方なのです。」




The Gentiles Receive the Holy Spirit

異邦人が聖霊を受ける


44 Even as Peter was saying these things, the Holy Spirit fell upon all who were listening to the message.

44 ペテロがこれらのことを話している間にも、メッセージを聞いていたすべての人々に聖霊が降りました。

45 The Jewish believers who came with Peter were amazed that the gift of the Holy Spirit had been poured out on the Gentiles, too.

45 ペテロといっしょに来たユダヤ人の信者たちは、聖霊の贈り物が異邦人にも注がれたことに驚きました。

46 For they heard them speaking in tongues and praising God.  Then Peter asked,

46 と言うのも信者たちは異邦人たちが外国語を話し、神さまを賛美するのを耳にしたからです。そしてペテロがたずねました。

47 “Can anyone object to their being baptized, now that they have received the Holy Spirit just as we did?”

47 「この人たちが洗礼を受けることに異論のある人がいるでしょうか。この人たちは私たちと同じように聖霊を受けたのです。」

48 So he gave orders for them to be baptized in the name of Jesus Christ. Afterward Cornelius asked him to stay with them for several days.

48 そこでペテロはこの人たちにイエス・キリストの名前によって洗礼を受けさせるように命じました。その後でコルネリオはペテロに数日間一緒に滞在するようにと頼みました。




ミニミニ解説

「使徒の働き」の第10章です。

ローマ帝国のユダヤ領の首都カイザリヤに、コルネリオと言う信心深いローマ帝国軍の百人隊長がいました。ある日、コルネリオの幻の中に天使が現れ、近くのヨッパと言う港町に滞在しているペテロを呼び寄せるように指示が出ます。一方のペテロは昼の十二時頃にお祈りをするために屋上に上ると、そこでトランス状態に陥り、幻を見ます。幻の中では空が開き、何か大きな布のようなものが四隅を吊されて降りて来て、その布の中にはあらゆる種類の動物や、はちゅう類や鳥がいたのでした。そして声を聞きます。声は「これらを殺して食べなさい。」とペテロに命じます。しかしユダヤ人は旧約聖書の律法で食べてはならない動物を細かく指示されていたので、ペテロがそのことを言うと、声は「神が清めた物を、不純などと言ってはならない」と告げます。やがてヨッパにコルネリオの使いが到着し、ペテロたちは翌日、カイザリヤに向けて出発しました。カイザリヤではペテロはユダヤ人の禁を破り、異邦人であるコルネリオの家へと入ります。

今回はこの続きです。

コルネリオの話を聞き、自分に起こったこととコルネリオに起こったことの符合を知ったペテロは、一連の出来事が神さまの導きによって起こっていると理解します。そしてペテロが、神さまはえこひいきをしない、つまりユダヤ人と異邦人を区別することはないと知ります。

第36節~第43節が、ペテロがコルネリオの家に伝えた福音のメッセージになります。

第36節、「すべての人にイエス・キリストを通じて神さまとの間に平和がある」。これはイエスさま以前には私たち人間と神さまの間には断絶があったことが前提です。私たち人間は毎日神さまの期待を裏切りながら生きています。神さまをガッカリさせること、それが聖書に書かれた「罪(sin)」で、罪による汚れが私たちが神聖な神さまと一緒になることを妨げるのです。しかし私たちにはイエスさまを通じて神さまと和解する道が示されました。

第37節、ユダヤ全土に起こった出来事、ガリラヤから始まり、洗礼者ヨハネが荒野でメッセージを宣べ伝えた後の出来事とは、福音書に書かれている、イエスさまが数年にわたって行った伝道活動の全般のことです。

第38節、イエスさまは最初に聖霊を受け、これによって神さまから力を授かりました。そしてイスラエル北部のガリラヤ地方からスタートして各地を巡り歩き、人々に教えを説き、たくさんの奇跡を行いました。

第39節、十二人の使徒はイエスさまに関するすべての出来事の目撃者です。使徒たちはイエスさまの伝道活動の最初から、イエスさまの逮捕と十字架までもを証言できます。

第40節~第41節、十字架死によって地上の使命を成就したイエスさまは、その三日後に神さまによって死者の中から復活し、使徒たちの前に姿を現します。そして使徒たちは復活したイエスさまと食事をしています。

第42節、使徒たちが復活したイエスさまから命じられたこと、それは二つです。第一はあらゆる場所で福音を伝えること、そして第二がイエスさまがすべての人を裁く裁判官に命じられたと伝えることです。ここで言う「すべての人」にはいま生きている人と、死んで終わりの日の裁きを待っている人の全員が含まれます。

第43節、これらの事柄すべてはイエスさまが地上に現れるより、ずっと昔に記述された旧約聖書の中に預言としてすべてが予告されていたのです。イエスさまを信じると自分で告白する人は、イエスさまの名前を通じて神さまとの和解が成立し、神さまをガッカリさせてきた罪がすべて許されるのです。

神さまをガッカリさせる「罪」に対して私たち人間に課せられた罰が「死」なのですから、罪がすべて許された人間は死なないことになります。そしてイエスさまを通じた許しは、神さまから誰にでも無償で差し出されていて、「ください」と言えば、こちらから代償として何かを差し出すことなく受け取れるのです。人間にとってこれほど好都合な話はありません。それがこの話が「良い知らせ」と呼ばれる所以です。イエスさまに関する良い知らせは、英語では「Good News」とか「Gospel(ゴスペル)」と言います。これを日本では「福音」と呼んでいます。

最初にエルサレムで福音を信じたのは、ほとんどがユダヤ人でした。ユダヤ人は律法の解釈に基づいて異邦人(外国人)との交わりを忌み嫌っていた人たちですから、ユダヤ人の異邦人に対する偏見は、当時の福音伝道に対して大きな妨げとなったはずです。

ペテロたちユダヤ人信者は、コルネリオたちが自分たちに起こったのと同じように、習ったことも話したこともない外国語で、ベラベラと神さまを賛美する言葉を言うのを聞いて、彼らに聖霊が降りたことを知ります。聖霊が降りたと言うことは彼らが福音を受け入れて信者となったことを意味します。それでコルネリオたちは洗礼を受けることになりました。

このような出来事を経験した後でも、ペテロは自分の中に育ててきた異邦人を差別する偏見と葛藤します。使徒のペテロでさえそうだったのですから、ユダヤ人と異邦人の対立が根強く残るのも理解できます。そういう意味でもペテロは私たちのお手本になります。ちなみに私たち日本人も、ユダヤ人ではありませんから異邦人に含まれます。



english1982 at 20:00│使徒の働き