2015年08月25日

使徒の働き第7章第1節~第16節:ステパノが最高議会に向けて話す

第7章




(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)


Stephen Addresses the Council

ステパノが最高議会に向けて話す


1 Then the high priest asked Stephen, "Are these accusations true?"

1 大祭司がステパノにききました。「この告発はそのとおりか?」

2 This was Stephen's reply: "Brothers and honorable fathers, listen to me. Our glorious God appeared to our ancestor Abraham in Mesopotamia before he moved to Haran.

2 ステパノは次のように答えました。「兄弟たち、そして名誉ある父たちよ、私の話を聞いてください。私たちの栄光の神さまはメソポタミアで私たちの父祖アブラハムに現れました。アブラハムがハランに移り住む前のことです。

3 God told him, `Leave your native land and your relatives, and come to the land that I will show you.'

3 神さまはアブラハムに言われました。『あなたの土地とあなたの親族を離れ、私がやがてあなたに見せる地に来なさい。』

4 So Abraham left the land of the Chaldeans and lived in Haran until his father died. Then God brought him here to the land where you now live.

4 そこでアブラハムはカルデヤ人の地を出て父が死ぬまでハランに住みました。それから神さまはアブラハムを今あなた方が住んでいるこの地へと導いたのです。

5 But God gave him no inheritance here, not even one square foot of land. God did promise, however, that eventually the whole country would belong to Abraham and his descendants -- though he had no children yet.

5 ですが神さまはここではアブラハムには何も与えませんでした。ほんの小さな土地さえも与えませんでした。ですが神さまは約束されたのです。最後には国全体がアブラハムとその子孫に帰属するようになると。そのときにはアブラハムには子どもさえいなかったというのに。

6 But God also told him that his descendants would live in a foreign country where they would be mistreated as slaves for four hundred years.

6 また神さまはアブラハムに、彼の子孫が外国に移り住み、そこで四百年の間、奴隷にされ、虐待されるとも告げました。

7 `But I will punish the nation that enslaves them,' God told him, `and in the end they will come out and worship me in this place.'

7 そして神さまはこう言われました。『しかし私は彼ら(アブラハムの子孫)を奴隷にする国民を裁き、最後には彼らは脱出して、この地で私を崇拝する』と。

8 God also gave Abraham the covenant of circumcision at that time. And so Isaac, Abraham's son, was circumcised when he was eight days old. Isaac became the father of Jacob, and Jacob was the father of the twelve patriarchs of the Jewish nation.

8 神さまはまたそのときアブラハムに割礼の契約を与えました。それでアブラハムの息子イサクは、生後八日目に割礼を受けました。イサクはヤコブの父となり、ヤコブはユダヤ国家の十二の族長の父となりました。

9 "These sons of Jacob were very jealous of their brother Joseph, and they sold him to be a slave in Egypt. But God was with him

9 ヤコブの息子たちは、兄弟のヨセフを妬み、ヨセフをエジプトへ奴隷として売りとばしました。ですが神さまはヨセフとともにいたのです。

10 and delivered him from his anguish. And God gave him favor before Pharaoh, king of Egypt. God also gave Joseph unusual wisdom, so that Pharaoh appointed him governor over all of Egypt and put him in charge of all the affairs of the palace.

10 そして神さまはヨセフを苦難から救い出し、エジプトの王パロに気に入られるようにしました。神さまはさらにヨセフに尋常ではない知恵をお与えになったので、パロはヨセフをエジプト全土の長官に任じ、王宮全体を取り仕切る仕事を与えたのです。

11 "But a famine came upon Egypt and Canaan. There was great misery for our ancestors, as they ran out of food.

11 ところがエジプトとカナンを飢饉が襲いました。私たちの父祖たちには食物がなくなり、大きな災難となりました。

12 Jacob heard that there was still grain in Egypt, so he sent his sons to buy some.

12 ヤコブはエジプトにはまだ穀物があると聞いたので、息子たちに穀物を買いに行かせました。

13 The second time they went, Joseph revealed his identity to his brothers, and they were introduced to Pharaoh.

13 息子たちが二度目に行ったとき、ヨセフは兄弟たちに自分の正体を打ち明け、ヨセフは兄弟たちをパロに紹介したのです。

14 Then Joseph sent for his father, Jacob, and all his relatives to come to Egypt, seventy-five persons in all.

14 それからヨセフは人をやって、父ヤコブと総勢七十五人の全親族をエジプトへ呼び寄せました。

15 So Jacob went to Egypt. He died there, as did all his sons.

15 こうしてヤコブはエジプトに下り、ヤコブも、また彼の息子たちもその地で死にました。

16 All of them were taken to Shechem and buried in the tomb Abraham had bought from the sons of Hamor in Shechem.

16 遺体はすべてシケムに運ばれ、かねてアブラハムがシケムのハモルの息子たちから買っておいた墓に葬られました。




ミニミニ解説

「使徒の働き」の第7章です。

初期の教会でギリシヤ語を話すディアスポラ系のユダヤ人と、ヘブライ語(アラム語)を話すもともとイスラエルに住んでいたユダヤ人の間に不和が生じ、不和の解決等の問題に対処させるため、十二人の使徒の他に、おそらくディアスポラ系のユダヤ人を代表するリーダーとして七人が選ばれました。ステパノ、ピリポ、プロコロ、ニカノル、テモン、パルメナ、ニコラオです。

七人の筆頭のステパノは人々の間で驚くべき不思議としるしを行い、人々に福音を伝えていましたが、ステパノが主に活動していたと思われるディアスポラ系の会堂の人たちから議論をふっかけられ、告発を受けて逮捕されてしまいます。告発の内容は「私たちはステパノが、ナザレのイエスが寺院を破壊し、私たちに伝えられたモーゼの慣習法を変えるだろう、と言うのを聞きました」との内容なのですが、これはどうやらイエスさまが「寺院を破壊すれば、私はそれを三日で建て直す」と言っていたこと、またイエスさまは自分が旧約聖書の律法を成就するために来たと言っていたことと関係がありそうです。

ステパノは発言の機会を得ますが、そのとき聖霊に満たされたステパノの顔が天使のように光り輝きます。

第1節、「この告発はそのとおりか?」という大祭司の問いに対し、ステパノはユダヤ民族と神さまの関係についての長いスピーチを開始します。大祭司の質問に対して自分の弁護をするのではなく、この機を逃さずに、自分がこれまで寺院やその他の場所で伝えてきたのと同じこと、つまりイエスさまについての福音を一人でも多くの人に述べ伝えようとするのです。ステパノが語り始めたのは旧約聖書の「Genesis(創世記)」から始まる、ユダヤ人なら誰でもよく知っている民族の歴史の要約です。

神さまからユダヤ人の父祖として選ばれたアブラハムの子孫は、三代目のヤコブの息子ヨセフがエジプトへ奴隷として売られたことをきっかけとして、民族全体が一度エジプトへ移り住み、そこで四百年という年月を寄留民として過ごすことになります。これは神さまが、まだアブラハムに子供が産まれる前にアブラハムと結んだ契約の中で予告されていました。Genesis 15:5-14(創世記第15章第5節~第14節)を引用します。

「5 そして、彼を外に連れ出して仰せられた。「さあ、天を見上げなさい。星を数えることができるなら、それを数えなさい。」さらに仰せられた。「あなたの子孫はこのようになる。」 6 彼は主を信じた。主はそれを彼の義と認められた。7 また彼に仰せられた。「わたしは、この地をあなたの所有としてあなたに与えるために、カルデヤ人のウルからあなたを連れ出した主である。」 8 彼は申し上げた。「神、主よ。それが私の所有であることを、どのようにして知ることができましょうか。」 9 すると彼に仰せられた。「わたしのところに、三歳の雌牛と、三歳の雌やぎと、三歳の雄羊と、山鳩とそのひなを持って来なさい。」 10 彼はそれら全部を持って来て、それらを真っ二つに切り裂き、その半分を互いに向かい合わせにした。しかし、鳥は切り裂かなかった。11 猛禽がその死体の上に降りて来たので、アブラムはそれらを追い払った。12 日が沈みかかったころ、深い眠りがアブラムを襲った。そして見よ。ひどい暗黒の恐怖が彼を襲った。13 そこで、アブラムに仰せがあった。「あなたはこの事をよく知っていなさい。あなたの子孫は、自分たちのものでない国で寄留者となり、彼らは奴隷とされ、四百年の間、苦しめられよう。14 しかし、彼らの仕えるその国民を、わたしがさばき、その後、彼らは多くの財産を持って、そこから出て来るようになる。」([新改訳])。

次回もステパノの話が続きます。




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