2015年08月29日

使徒の働き第3章第1節~第11節:ペテロが身体の不自由な乞食を癒やす

第3章




(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)


Peter Heals a Crippled Beggar

ペテロが身体の不自由な乞食を癒やす


1 Peter and John went to the Temple one afternoon to take part in the three o’clock prayer service.

1 ある午後、ペテロとヨハネは三時のお祈りの礼拝に参加するため寺院へ行きました。

2 As they approached the Temple, a man lame from birth was being carried in. Each day he was put beside the Temple gate, the one called the Beautiful Gate, so he could beg from the people going into the Temple.

2 ふたりが寺院に近づくと、生まれつき足が不自由な人が運ばれて来るところでした。毎日この人は寺院の「美しい門」と呼ばれる門の横に置かれ、それでこの人は寺院に入っていく人たちからお金を請うことができました。

3 When he saw Peter and John about to enter, he asked them for some money.

3 彼はペテロとヨハネが入ろうとするのを見ると、ふたりにいくらかのお金を求めました。

4 Peter and John looked at him intently, and Peter said, “Look at us!”

4 ペテロとヨハネはこの人を真剣に見つめ、そしてペテロが言いました。「私たちを見なさい。」

5 The lame man looked at them eagerly, expecting some money.

5 彼はお金を期待して、ふたりを熱心に見つめました。

6 But Peter said, “I don’t have any silver or gold for you. But I’ll give you what I have. In the name of Jesus Christ the Nazarene, get up and walk!”

6 しかしペテロは言いました。「私はあなたのための銀も金も持っていません。ですが私はあなたに私が持っているものをあげましょう。ナザレの人、イエス・キリストの名により、立ち上がり、歩きなさい。」

7 Then Peter took the lame man by the right hand and helped him up. And as he did, the man’s feet and ankles were instantly healed and strengthened.

7 それからペテロは足が不自由な人の右手を取って、立ち上がるのを手伝いました。彼が立ち上がると、足とくるぶしは瞬時に癒やされ、丈夫になりました。

8 He jumped up, stood on his feet, and began to walk! Then, walking, leaping, and praising God, he went into the Temple with them.

8 彼は跳び上がり、自分の足で立って歩き始めました。そして歩き、跳びはね、神さまを褒め称えながら、ふたりと一緒に寺院へ入っていきました。

9 All the people saw him walking and heard him praising God.

9 すべての人々が彼が歩くのを見て、神さまを褒め称えるのを聞きました。

10 When they realized he was the lame beggar they had seen so often at the Beautiful Gate, they were absolutely astounded!

10 人々はそれが「美しい門」のところで頻繁に見かけた足の不自由な乞食だとわかると、すっかり驚いてしまいました。

11 They all rushed out in amazement to Solomon’s Colonnade, where the man was holding tightly to Peter and John.

11 人々はみな驚いて「ソロモンの回廊」へ、どっと駆けていきました。そこでは男がペテロとヨハネの手をしっかりと握っていました。




ミニミニ解説

「使徒の働き」の第3章です。

第1節、ペテロとヨハネがお祈りの礼拝に参加するために寺院へ出かけます。第2章には信者たちが毎日寺院に参拝していたと書かれていました。当時は午後三時が寺院でお祈りを捧げる時間とされていたので、信者たちはこの時間に一緒に寺院に参拝し、共にお祈りを捧げていたと考えられます。

第2節~第3節、ふたりは「美しい門」と呼ばれる門から寺院へ入ろうとしています。これは城塞都市のエルサレムへ入る門ではなくて、市内の北東にある寺院内部へ入る門ですが、これがどの門なのか、いまでははっきりとはわからないようです。ちょうどそのとき門のところへ男の人が運ばれてきます。この人は生まれつき足が不自由で、おそらくこの人の家族が、この人を毎日門のすぐ横のところへ運んで来ます。そうすればこの人は、寺院の参拝客に声をかけてお金を施してくれるように請うことができるからです。男の人はペテロとヨハネが寺院に入っていくのを見て、いつものように、お金を恵んでくれと声をかけます。

第4節~第5節、声をかけられたふたりはこの人を真剣に見つめ、それからペテロが声をかけます。「私たちを見なさい。」  男の人はふたりがお金を恵んでくれるのだろうと思い、期待して見つめ返します。

第6節、ペテロが言います。「私はあなたのための銀も金も持っていません。ですが私はあなたに私が持っているものをあげましょう。」 ペテロは男の人に、あなたにお金をあげるのではない、と言った後で、「私が持っているもの」をあげる、と言います。ペテロが持っているもの、それはイエスさまから授かったもので、イエスさまの名前によって奇跡のわざを行う権威です。たとえばヨハネの福音書の最後の晩餐の場面で、イエスさまは使徒たちに次のように言っています。John 14:12-14(ヨハネの福音書第14章第12節~第14節)です。「12 まことに、まことに、あなたがたに告げます。わたしを信じる者は、わたしの行なうわざを行ない、またそれよりもさらに大きなわざを行ないます。わたしが父のもとに行くからです。13 またわたしは、あなたがたがわたしの名によって求めることは何でも、それをしましょう。父が子によって栄光をお受けになるためです。14 あなたがたが、わたしの名によって何かをわたしに求めるなら、わたしはそれをしましょう。」( [新改訳]) 。ペテロは男の人に言います。「ナザレの人、イエス・キリストの名により、立ち上がり、歩きなさい。」 これはイエスさまの名前によって求められたことなので、このとき父である神さまの右の座にいるイエスさまは、これを聞き届け、それを実行に移すのです。

第7節、これを言った後でペテロは男の人の手を取って立たせます。このときのペテロは以前のペテロと違い、揺るぐことのない信仰に立っていますから、イエスさまの名前によって命じられたことは100%実現すると知っています。おそらくここにあげられたエピソードの他にもたくさんの奇跡を行ってきたのでしょう。なので、この男の人を立たせるときに、うまく行くだろうかなどという躊躇はなかったはずです。第7節の後半を読むとペテロに助けられた男の人の方も、躊躇やよどむことなく立ち上がっているように読めます。生まれつき足が不自由で一度も歩いたことのない人のはずなのに、ペテロの「私たちを見なさい。」「ナザレの人、イエス・キリストの名により、立ち上がり、歩きなさい。」という毅然とした命令口調に促されて、やはり疑う間もなく立ち上がってしまうのです。そしてその瞬間、男の人の足は癒やされてしまいます。イエスさまの行う奇跡はいつも瞬時に完了します。病気や不自由な場所がだんだん良くなるというのではなくて、瞬時に完治してしまいます。この男の人は生まれつき一度も歩いたことのない人ということですから、足は萎えてしまっていて、骨格も筋力もほとんど発達していないはずですが、足は瞬時に歩いたり跳ねたりするのに十分な力をつけてしまいます。

第8節、足を癒やされた男の人の喜びは想像することができません。まさか自分の足で歩く日が来るとは思っていなかったでしょうから。男の人は跳び上がり、自分の足で立って歩き始めます。何よりも素晴らしいのは、この人がこの奇跡について、神さまを褒め称えながら寺院へ入って行ったことです。これは「神さまに栄光を帰す」などと言いますが、自分の身に起こった喜びは「やった!」と自分自身で喜ぶための出来事ではなく、「神さまは素晴らしい!」「神さまを褒め称えます!」「神さまに感謝します!」と、その良いことのすべては神さまから来た物であると考えて、神さまを褒め称え、神さまに感謝するための出来事なのです。

第9節~第10節、寺院に参拝しに来ていた人々は、この男の人が歩く姿を目撃し、神さまを褒め称えて歩くのを耳にします。そしてこの男の人が、いつも「美しい門」の横に座ってお金を請うていた足の不自由な男の人だと気づき、すっかり仰天してしまいます。まったくあり得ないことが目の前で起きているからです。

第11節、人々は「ソロモンの回廊」へと一斉に走っていきます。「ソロモンの回廊」はヨハネの福音書に一度登場しています。John 10:23(ヨハネの福音書第10章第23節)以降です。「23 時は冬であった。イエスは、宮の中で、ソロモンの廊を歩いておられた。24 それでユダヤ人たちは、イエスを取り囲んで言った。「あなたは、いつまで私たちに気をもませるのですか。もしあなたがキリストなら、はっきりとそう言ってください。」 25 イエスは彼らに答えられた。「わたしは話しました。しかし、あなたがたは信じないのです。わたしが父の御名によって行なうわざが、わたしについて証言しています。」([新改訳])。エルサレムの寺院は内部へ進むほど聖域度の進む構造になっているのですが、その一番外側にある広いエリアが「異邦人の庭」で、これをぐるりと取り囲む壁のところには、太い石柱に支えられた屋根のある回廊が作られています。ソロモンの回廊は異邦人の庭の東側の部分の呼称のようです。人々が一斉にここに向かって走ったのは、イエスさまの弟子たちがいつもここに集まって共にお祈りをしたり、使徒の説教を聞く学びをしていたことを知っていたからだと思います。果たしてそこには足を癒やされた男が、ペテロとヨハネの手をしっかりと握って立っているのでした。

次回はペテロが集まってきた人々に説教をします。




english1982 at 22:00│使徒の働き