2015年08月31日

使徒の働き第1章第12節~第26節:マッテヤがユダに代わる

第1章




(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)


Matthias Replaces Judas

マッテヤがユダに代わる


12 Then the apostles returned to Jerusalem from the Mount of Olives, a distance of half a mile.

12 それから使徒たちは半マイル離れたオリーブ山からエルサレムへ戻りました。

13 When they arrived, they went to the upstairs room of the house where they were staying. Here are the names of those who were present: Peter, John, James, Andrew, Philip, Thomas, Bartholomew, Matthew, James (son of Alphaeus), Simon (the Zealot), and Judas (son of James).

13 使徒たちは到着すると、滞在している家の階上の部屋へ行きました。そこにいた人たちの名前は以下です:ペテロ、ヨハネ、ヤコブ、アンデレ、ピリポ、トマス、バルトロマイ、マタイ、ヤコブ(アルパヨの子)、シモン(熱心党員)、ユダ(ヤコブの子)。

14 They all met together and were constantly united in prayer, along with Mary the mother of Jesus, several other women, and the brothers of Jesus.

14 イエスさまの母親のマリヤ、他の何名かの女性たち、そしてイエスさまの兄弟たちと共に、使徒たちは一緒に集い、いつもお祈りで一つになっていました。

15 During this time, when about 120 believers were together in one place, Peter stood up and addressed them.

15 このころ、約120人の信者がひとところに集まっていたとき、ペテロが立ち上がって話しました。

16 “Brothers,” he said, “the Scriptures had to be fulfilled concerning Judas, who guided those who arrested Jesus. This was predicted long ago by the Holy Spirit, speaking through King David.

16 ペテロは言いました。「兄弟たち、イエスさまを逮捕した者たちを先導したユダについては聖書が成就されなければならなかったのです。これはずっと昔に聖霊によってダビデ王を通じて予告されていました。

17 Judas was one of us and shared in the ministry with us.”

17 ユダは私たちの一人で、私たちと伝道の活動を行っていました。

18 (Judas had bought a field with the money he received for his treachery. Falling headfirst there, his body split open, spilling out all his intestines.

18 (ユダは裏切りの報酬として受け取った金で土地を買いました。そこで頭から落ちて身体が割けて開き、腸が全部こぼれ出しました。

19 The news of his death spread to all the people of Jerusalem, and they gave the place the Aramaic name Akeldama, which means “Field of Blood.”)

19 ユダの死の知らせはエルサレムのすべての人たちに広まり、彼らはその土地をアラム語でアケルダマ、すなわち『血の土地』と名付けました。)

20 Peter continued, “This was written in the book of Psalms, where it says, ‘Let his home become desolate, with no one living in it.’ It also says, ‘Let someone else take his position.’

20 ペテロは続けました。これは詩編に書かれていました。そこには『彼の家は誰も住む人なく荒れ果てさせよ』と書かれています。また『誰か他の者に彼の場所を取らせよ』とも書かれています。

21 “So now we must choose a replacement for Judas from among the men who were with us the entire time we were traveling with the Lord Jesus -- 

21 そこで私たちは、私たちが主イエスさまと旅をした間の全体にわたって私たちと共にいた人たちの中からユダの代わりを選ばねばなりません。

22 from the time he was baptized by John until the day he was taken from us. Whoever is chosen will join us as a witness of Jesus’ resurrection.”

22 イエスさまがヨハネから洗礼を受けたときから、イエスさまが私たちから取られた日までの間です。選ばれる者はイエスさまの復活の証人として私たちに加わります。」

23 So they nominated two men: Joseph called Barsabbas (also known as Justus) and Matthias.

23 そこで彼らは二人を候補に立てました。バルサバと呼ばれるヨセフと(ユストとしても知られている)、マッテヤです。

24 Then they all prayed, “O Lord, you know every heart. Show us which of these men you have chosen

24 そして全員でお祈りしました。「おお主よ、あなたはすべての人の心をご存じです。この二人のうちどちらを選ばれたかを私たちに示してください、

25 as an apostle to replace Judas in this ministry, for he has deserted us and gone where he belongs.”

25 この活動でユダに代わる使徒として。なぜならユダは私たちを捨て、彼が属する場所へと去りましたから。」

26 Then they cast lots, and Matthias was selected to become an apostle with the other eleven.

26 それから彼らはくじを引き、他の十一人と共に使徒となるためにマッテヤが選ばれました。




ミニミニ解説

「使徒の働き」の第1章です。

前回、復活して弟子たちに現れたイエスさまは、弟子たちが見守る前で天へと上げられて、雲の中に見えなくなりました。弟子たちはエルサレムへと戻ってきます。

第12節には弟子たちがオリーブ山から戻ったと書かれていますが、イエスさまが天へ上げられた場所がオリーブ山であったのか、あるいはその先のどこかで天へ上げられた後、オリーブ山を通って帰ってきたのかは、ここからはわかりません。

第13節、弟子たちは滞在している家の階上の部屋へ集合します。この階上の部屋はおそらく最後の晩餐が行われたのと同じ場所です。ここにあげられている弟子の名前はイエスさまが選んだ十二人の使徒から、イエスさまを裏切って抜けたユダを抜いたものです。

第14節、当時の集まりにはイエスさまの母親のマリヤ、イエスさまの兄弟、他にも女性たちが加わっていたと書かれています。これはおそらくイエスさまの十字架にまで居合わせ、復活したイエスさまを最初に目撃することになったマグダラのマリヤを含む、ガリラヤ地方からずっとイエスさまに従ってきた女性たちです。

第15節、最初の教会には120人のメンバーがいたと書かれています。ガリラヤ地方からずっとイエスさまに従って来た人たちと、イエスさまの話を聞いてイエスさまを信じた人たちでしょう。その120人に向かってペテロが話します。ここからもペテロが初期の教会のリーダー格だったことがわかります。

第16節~第19節のペテロの話は、イエスさまを裏切ったユダについてです。ペテロはユダの裏切りと死が旧約聖書に予告されていたことなのだと言います。ここで共有されていた理解は、Matthew 27:3-10(マタイの福音書第27章第3節~第10節)に書かれているような話だと思われます。

「3 そのとき、イエスを売ったユダは、イエスが罪に定められたのを知って後悔し、銀貨三十枚を、祭司長、長老たちに返して、4 「私は罪を犯した。罪のない人の血を売ったりして」と言った。しかし、彼らは、「私たちの知ったことか。自分で始末することだ」と言った。5 それで、彼は銀貨を神殿に投げ込んで立ち去った。そして、外に出て行って、首をつった。6 祭司長たちは銀貨を取って、「これを神殿の金庫に入れるのはよくない。血の代価だから」と言った。7 彼らは相談して、その金で陶器師の畑を買い、旅人たちの墓地にした。8 それで、その畑は、今でも血の畑と呼ばれている。9 そのとき、預言者エレミヤを通して言われた事が成就した。「彼らは銀貨三十枚を取った。イスラエルの人々に値積もりされた人の値段である。10 彼らは、主が私にお命じになったように、その金を払って、陶器師の畑を買った。」([新改訳])。

マタイはユダの裏切りの根拠を旧約聖書の「Jeremiah(エレミヤ書)」の預言の成就だと言っていますが、この引用箇所は特定するのがとても難しいです。「銀貨三十枚」と「陶器師」を結びつける「値踏みの値段」と「銀貨を投げつける」話は、他の預言書「Zechariah(ゼカリヤ書)」に見つかります。Zechariah 11:10-14(ゼカリヤ書第11章第10~14節)を引用します。

「10 私は、私の杖、慈愛の杖を取り上げ、それを折った。私がすべての民と結んだ私の契約を破るためである。11 その日、それは破られた。そのとき、私を見守っていた羊の商人たちは、それが主のことばであったことを知った。12 私は彼らに言った。「あなたがたがよいと思うなら、私に賃金を払いなさい。もし、そうでないなら、やめなさい。」すると彼らは、私の賃金として、銀三十シェケルを量った。13 主は私に仰せられた。「彼らによってわたしが値積もりされた尊い価を、陶器師に投げ与えよ。」そこで、私は銀三十を取り、それを主の宮の陶器師に投げ与えた。14 そして私は、結合という私のもう一本の杖を折った。これはユダとイスラエルとの間の兄弟関係を破るためであった」([新改訳])。

一方マタイが根拠を求める「Jeremiah(エレミヤ書)」には陶器師の話が出て来ます。Jeremiah 18:1-6(エレミヤ書第18章第1~6節)です。

「1 主からエレミヤにあったみことばは、こうである。2 「立って、陶器師の家に下れ。そこで、あなたに、わたしのことばを聞かせよう。」 3 私が陶器師の家に下って行くと、ちょうど、彼はろくろで仕事をしているところだった。4 陶器師は、粘土で制作中の器を自分の手でこわし、再びそれを陶器師自身の気に入ったほかの器に作り替えた。5 それから、私に次のような主のことばがあった。6 「イスラエルの家よ。この陶器師のように、わたしがあなたがたにすることができないだろうか。――主の御告げ――見よ。粘土が陶器師の手の中にあるように、イスラエルの家よ、あなたがたも、わたしの手の中にある」([新改訳])。

また「Jeremiah(エレミヤ書)」にはまったく別の箇所に土地を買う話も出てきます。Jeremiah 32:6-9(エレミヤ書第18章第1~6節)です。

「6 そのとき、エレミヤは言った。「私に次のような主のことばがあった。7 見よ。あなたのおじシャルムの子ハナムエルが、あなたのところに来て、『アナトテにある私の畑を買ってくれ。あなたには買い戻す権利があるのだから』と言おう。8 すると、主のことばのとおり、おじの子ハナムエルが私のところ、監視の庭に来て、私に言った。『どうか、ベニヤミンの地のアナトテにある私の畑を買ってください。あなたには所有権もあり、買い戻す権利もありますから、あなたが買い取ってください。』私は、それが主のことばであると知った。9 そこで私は、おじの子ハナムエルから、アナトテにある畑を買い取り、彼に銀十七シェケルを払った」([新改訳])。これらの箇所を結びつけても、ユダの裏切りや死が旧約聖書に予告されていたと解釈するのはとても難しい作業です。

第20節、ペテロは詩編を引用します。最初の『彼の家は誰も住む人なく荒れ果てさせよ』は、Psalm 69:25(詩編第69章第25節)で、ダビデの「私に敵対する者」への呪いの言葉です。そこには「彼らの陣営を荒れ果てさせ、彼らの宿営にはだれも住む者がないようにしてください。」([新改訳])とあります。二つ目の『誰か他の者に彼の場所を取らせよ』はPsalm 109:8-9(詩編第109章第8節~第9節)で、ダビデ王によるやはり呪いの言葉です。「8 彼の日はわずかとなり、彼の仕事は他人が取り、9 その子らはみなしごとなり、彼の妻はやもめとなりますように。」([新改訳])とあります。

第21節~第22節でペテロは、イエスさまの伝道活動の全行程に関わった弟子の中から、ユダに代わる十二人目の使徒を選ばなくてはならないと告げます。全行程とは洗礼者ヨハネによる洗礼から、復活したイエスさまが天にあげられた日までのことです。

第23節、候補者はバルサバとマッテヤのふたりです。第26節で選ばれたマッテヤですが、この部分の他には聖書には一度も登場しません。



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