コリント人への手紙第2【手紙その3】第7章第5節~第16節:教会の悔い改めによるパウロの喜びコリント人への手紙第2【手紙その3】第1章第1節~第24節:パウロからのあいさつ、神さまはすべての人に慰めを与える、パウロの計画変更

2015年06月12日

コリント人への手紙第2【手紙その3】第2章第1節~第13節:パウロの計画変更(続き)、罪人の許し

コリント人への手紙第2 手紙その3  




(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)



1 So I decided that I would not bring you grief with another painful visit.

1 それで私はもう一度つらい訪問をすることで、あなた方に悲しみをもたらすようなことはしないと決めたのです。

2 For if I cause you grief, who will make me glad? Certainly not someone I have grieved.

2 なぜなら私があなた方を悲しませたら、誰が私を喜ばせてくれるのでしょうか。私が悲しませた人ではないのは確かです。

3 That is why I wrote to you as I did, so that when I do come, I won’t be grieved by the very ones who ought to give me the greatest joy. Surely you all know that my joy comes from your being joyful.

3 それが私が手紙を書いた理由です。そうやって私がいよいよ行くときには私に最大の喜びを与えてくれるべき人たちから悲しまされることのないようにです。あなた方全員が私の喜びがあなた方が喜んでいることから来ると知っています。

4 I wrote that letter in great anguish, with a troubled heart and many tears. I didn’t want to grieve you, but I wanted to let you know how much love I have for you.

4 私はあの手紙を悩み苦しむ心と多くの涙と共に大きな苦痛の中で書きました。私はあなた方を悲しませたくありませんでした。しかし私はどれほどの愛をあなた方のために持っているか、あなた方に知って欲しかったのです。



Forgiveness for the Sinner

罪人の許し


5 I am not overstating it when I say that the man who caused all the trouble hurt all of you more than he hurt me.

5 あらゆる問題を起こしたその人物が、私を傷つけたよりも、あなた方全員を傷つけたと言うのは、誇張で言っているのではありません。

6 Most of you opposed him, and that was punishment enough.

6 あなた方の多くが彼に反対しました。罰としては十分です。

7 Now, however, it is time to forgive and comfort him. Otherwise he may be overcome by discouragement.

7 しかしいまは彼を許し慰めるときです。さもないと彼は落胆で打ちのめされてしまうかも知れません。

8 So I urge you now to reaffirm your love for him.

8 それで私はあなた方の彼への愛をもう一度言うことを勧めます。

9 I wrote to you as I did to test you and see if you would fully comply with my instructions.

9 私が手紙を書いたのはあなた方を試し、あなた方が私の指示に完全に従うかどうかを見るためでした。

10 When you forgive this man, I forgive him, too. And when I forgive whatever needs to be forgiven, I do so with Christ’s authority for your benefit,

10 あなた方がこの人を赦すなら私も彼を赦します。私が許される必要のあるものを許すときには、あなた方のためにキリストの権威をもってそうします。

11 so that Satan will not outsmart us. For we are familiar with his evil schemes.

11 それは私たちがサタンによって裏をかかれないようにです。私たちはサタンの邪悪なたくらみを知っていますから。

12 When I came to the city of Troas to preach the Good News of Christ, the Lord opened a door of opportunity for me.

12 私がキリストの良い知らせを伝道するためにトロアスに来たときに、主が私に機会の扉を開いてくれました。

13 But I had no peace of mind because my dear brother Titus hadn’t yet arrived with a report from you. So I said good-bye and went on to Macedonia to find him.

13 しかし私の親愛なる兄弟のテトスがあなた方からの報告を携えてまだ到着していなかったので私の心には安らぎがありませんでした。それで私は別れを告げて、テトスを探してマケドニヤへ進みました。




ミニミニ解説

「2 Corinthians(コリント人への手紙第2) 」の第2章です。

「2 Corinthians(コリント人への手紙第2) 」は、パウロの少なくとも四つの手紙が一つに編纂されているという前提に基づき、章の順ではなく、全体を分割して四つの手紙が書かれた順に読んでいきます。

パウロは二回目の伝道旅行で一年半に渡ってコリントに滞在し、ユダヤ人と異邦人に福音を伝えました。パウロがコリントを去った後、コリントの教会では様々な問題が発生しました。三回目の伝道旅行の途上でパウロがエペソに滞在しているときに、コリントの教会はステパナ、ポルトナト、アカイコの三名を代表として送り、パウロに指導を仰ぎました。「1 Corinthians(コリント人への手紙第1) 」はパウロがコリントの教会へ宛てた指導の手紙でした。

パウロは「1 Corinthians(コリント人への手紙第1) 」を送るに先駆けて、テモテをコリントに派遣しています。やがてエペソに戻って来たテモテは、パウロにコリントの緊急事態を伝えます。それはコリントにパウロが説くのとは異なる福音を説く人たちが現れ、コリントの信者たちを惑わし、さらにその人たちはパウロの使徒としての資格に疑問を投げかけていると言うのです。

最初に書いた四つの手紙の概略は以下です。

  • 手紙その1:テモテの緊急事態報告を受けて。第2章第14節~第7章第4節
  • 手紙その2:コリント訪問が失敗に終わって。第10章~第13章
  • 手紙その3:テトスの事態好転の報告を受けて。第1章第1節~第2章第13節、第7章第5節~第16節
  • 手紙その4:エルサレムの教会への献金について。第8章~第9章(ここは章ごとに別々の手紙である可能性が高い)

いまは第三の手紙部分を読んでいます。

パウロは最終的にコリントへの三度目の訪問を果たしますが、二回目と三回目の訪問の間にパウロはテトスをコリントに派遣しています。パウロはテトスの戻りが待ちきれずエペソを出て小アジア西端のトロアスに行き、さらにマケドニヤ(ギリシヤ北部)まで進んだところでコリントから戻ったテトスに会います。そしてパウロはテトスからコリントの事態が好転したという報告を受けます。第三の手紙はパウロの三度目の訪問の前にコリントへ送られた手紙です。

第1節~第4節は第1章の終わりの部分の続きです。第1章の終わりには、パウロは自分の二回目の訪問後でなぜすぐにコリントへ戻らなかったのか、その理由はコリントの信者たちが厳しい非難にさらされないようにだと言い、それについては神さまが証人だから間違いないと言いました。パウロは短い間に訪問を繰り返して、自分の敵や、敵を支持する人たちと激しい対立をして教会を疲弊させるよりも、少し時間をおいてコリントの信者が再び強い信仰に立つ日を待っていたのです。

第5節で、パウロが「あらゆる問題を起こしたその人物」と言っている人は、第6節で「あなた方の多くが彼に反対しました。罰としては十分です。」とされ、第7節~第8節では、「しかしいまは彼を許し慰めるときです。さもないと彼は落胆で打ちのめされてしまうかも知れません。それで私はあなた方の彼への愛をもう一度言うことを勧めます。」と、その人を許し、慰めて、自分たちの仲間へ呼び戻すように勧めていますから、この人物はパウロの敵、その人ではないでしょう。パウロの敵は外部からコリントへ来た偽の使徒で、パウロの使徒としての権威を否定して信者を扇動し、信者を別の信仰へと誘導しようとした人です。

第5節~第8節で、パウロが許しなさいと勧めているのはコリントの信者の中で、このパウロの敵側に着いて支持した人と思われます。

第10節、パウロは「 あなた方がこの人を赦すなら私も彼を赦します」と言い、それはイエスさまの権威をもってそうするのであって、「それは私たちがサタンによって裏をかかれないようにです。私たちはサタンの邪悪なたくらみを知っていますから」とします。今回の騒動によってコリントの教会からはじき出される信者が出れば、それは教会の将来に遺恨を残し、分裂の種になりかねません。それをパウロはサタンの邪悪なたくらみとし、信者たちに互いに許し合うことを教えます。

第12節、パウロはコリントに遣わしたテトスの戻りが待ちきれずエペソを出て小アジア西端のトロアスまで迎えに行きますが、テトスはまだトロアスには来ていません。

第13節、パウロはトロアスで伝道をした人たちに別れを告げて、海を渡ってマケドニヤに進みます。






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