コリント人への手紙第2【手紙その2】第11章第16節~第33節:パウロのたくさんの試練コリント人への手紙第2【手紙その2】第10章第1節~第18節:パウロが自分の権威を擁護する

2015年06月13日

コリント人への手紙第2【手紙その2】第11章第1節~第15節:パウロと偽の使徒たち

コリント人への手紙第2 手紙その2  




(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)



Paul and the False Apostles

パウロと偽の使徒たち


1 I hope you will put up with a little more of my foolishness. Please bear with me.

1 あなた方がもう少しだけ私の愚かさに耐えてくれると良いのですが。どうかつきあってください。

2 For I am jealous for you with the jealousy of God himself. I promised you as a pure bride to one husband -- Christ.

2 それは私が神さまご自身の嫉妬をもってあなた方のために嫉妬しているからです。私はあなた方を清純な花嫁としてキリストというひとりの夫に差し出すと約束したのです。

3 But I fear that somehow your pure and undivided devotion to Christ will be corrupted, just as Eve was deceived by the cunning ways of the serpent.

3 しかしエバが蛇の悪賢い方法にだまされたように、あなた方のキリストへの純粋で完全な献身が壊されるのではないかと心配です。

4 You happily put up with whatever anyone tells you, even if they preach a different Jesus than the one we preach, or a different kind of Spirit than the one you received, or a different kind of gospel than the one you believed.

4 他の人が私たちが伝道するのと異なるイエスさまを伝えたり、あなた方が受けたのと別の種類の霊を伝えたり、あなた方が信じたのと異なる種類の福音を伝えたとしても、あなた方は他の人たちが伝えることのすべてを喜んで耐え忍んでいます。

5 But I don’t consider myself inferior in any way to these “super apostles” who teach such things.

5 しかし私はそのようなことを教える「すごい使徒」たちと比べて、どのような面でも劣っているとは思いません。

6 I may be unskilled as a speaker, but I’m not lacking in knowledge. We have made this clear to you in every possible way.

6 私は話者としては未熟かも知れません。しかし知識は不足していません。私たちは考え得るすべての点で、それをあなた方に明らかにして来ました。

7 Was I wrong when I humbled myself and honored you by preaching God’s Good News to you without expecting anything in return?

7 私が謙虚になり、あなた方からの見返りに何も期待せずに神さまの良い知らせを伝えることで、あなた方に敬意を示したのは間違いだったのでしょうか。

8 I “robbed” other churches by accepting their contributions so I could serve you at no cost.

8 私は寄付を受け取ることで他の教会から奪い取り、そうやってあなた方に無償で仕えるようにしたのです。

9 And when I was with you and didn’t have enough to live on, I did not become a financial burden to anyone. For the brothers who came from Macedonia brought me all that I needed. I have never been a burden to you, and I never will be.

9 そして私があなた方のところにいて生活に十分なものを持っていなかったとき、私は誰にも経済的な負担とはなりませんでした。マケドニヤから来た兄弟たちが、私の必要な物すべてを持って来てくれたのです。私は一度もあなた方の負担にはなりませんでしたし、今後もそうです。

10 As surely as the truth of Christ is in me, no one in all of Greece will ever stop me from boasting about this.

10 私の内にキリストの真実がある限り、このこととについてギリシヤ全土で私の自慢を止める人はいません。

11 Why? Because I don’t love you? God knows that I do.

11 なぜでしょうか。私があなた方を愛していないからでしょうか。私があなた方を愛していることは神さまがご存じです。

12 But I will continue doing what I have always done. This will undercut those who are looking for an opportunity to boast that their work is just like ours.

12 しかし私は私がいつもしてきたことを続けます。こうすることで、自分たちの仕事が、ちょうど私たちの仕事と同じだと自慢しようとして機会を狙っている人たちを断ち切るでしょう。

13 These people are false apostles. They are deceitful workers who disguise themselves as apostles of Christ.

13 こういう人たちは偽の使徒です。キリストの使徒に変装している偽の働き手です。

14 But I am not surprised! Even Satan disguises himself as an angel of light.

14 しかし私は驚きません。サタンさえ光の天使に変装します。

15 So it is no wonder that his servants also disguise themselves as servants of righteousness. In the end they will get the punishment their wicked deeds deserve.

15 ですからサタンのしもべたちが正しいしもべに変装したとしても不思議ではありません。最後には彼らはその邪悪な行いにふさわしい罰を受けるのです。




ミニミニ解説

「2 Corinthians(コリント人への手紙第2) 」の第11章です。

「2 Corinthians(コリント人への手紙第2) 」は、パウロの少なくとも四つの手紙が一つに編纂されているという前提に基づき、章の順ではなく、全体を分割して四つの手紙が書かれた順に読んでいきます。

パウロは二回目の伝道旅行で一年半に渡ってコリントに滞在し、ユダヤ人と異邦人に福音を伝えました。パウロがコリントを去った後、コリントの教会では様々な問題が発生しました。三回目の伝道旅行の途上でパウロがエペソに滞在しているときに、コリントの教会はステパナ、ポルトナト、アカイコの三名を代表として送り、パウロに指導を仰ぎました。「1 Corinthians(コリント人への手紙第1) 」はパウロがコリントの教会へ宛てた指導の手紙でした。

パウロは「1 Corinthians(コリント人への手紙第1) 」を送るに先駆けて、テモテをコリントに派遣しています。やがてエペソに戻って来たテモテは、パウロにコリントの緊急事態を伝えます。それはコリントにパウロが説くのとは異なる福音を説く人たちが現れ、コリントの信者たちを惑わし、さらにその人たちはパウロの使徒としての資格に疑問を投げかけていると言うのです。

最初に書いた四つの手紙の概略は以下です。

  • 手紙その1:テモテの緊急事態報告を受けて。第2章第14節~第7章第4節
  • 手紙その2:コリント訪問が失敗に終わって。第10章~第13章
  • 手紙その3:テトスの事態好転の報告を受けて。第1章第1節~第2章第13節、第7章第5節~第16節
  • 手紙その4:エルサレムの教会への献金について。第8章~第9章(ここは章ごとに別々の手紙である可能性が高い)

いまは第二の手紙部分を読んでいます。

最終的にパウロはコリントを訪問し、おそらく西暦55年末~56年春の越冬の期間に三ヶ月間滞在して、この間にコリントで「Romans(ローマ人への手紙)」を書くのですが、今回から読む第二の手紙の部分を読むと、中に「三度目の訪問」と言う言葉が何度か出て来るので、二回目の伝道旅行時の一年半の滞在と、最後の三ヶ月の越冬滞在の間に、「二度目の訪問」がなければ筋が通らないことになります。しかしパウロの二度目の訪問の記録は、「Acts(使徒の働き)」には登場しないのです。記録者のルカには、何かこの訪問を記録したくない特別な理由が何かあったのかも知れません。

「2 Corinthians(コリント人への手紙第2) 」に編纂された第二の手紙は、恐らくパウロの二度目の訪問の直後に書かれた手紙で、その二度目の訪問で、パウロと敵との対決はパウロ側の失敗に終わっており、そのためか手紙はかなり感情的な内容になっています。

今回の第2節、パウロは「私はあなた方を清純な花嫁としてキリストというひとりの夫に差し出すと約束した」と書いています。

イエスさまを救世主として告白してクリスチャンとなる行動は、クリスチャンを花嫁、イエスさまを花婿とする結婚にたとえられます。この部分、[KJV]ではコリントの信者たちは「a chaste virgin(純血の処女)」とたとえられています。ちなみにこの婚礼の祝宴はイエスさまが再来する「終わりの日」に起こるとされています。

第3節、それにもかかわらずパウロはコリントの信者たちの献身が、「エバが蛇の悪賢い方法にだまだれたように」破壊されるのではないか、と恐れます。旧約聖書の「Genesis(創世記)」でエバを欺いた蛇はサタンでしたから、パウロはコリントにいる敵をサタンだと言っているのです。

第4節によると、このコリントにいる敵は異なるイエスさまを伝え、聖霊とは別の霊を伝え、異なる種類の福音を語っているのです。これは後に「異端(heresy)」と呼ばれるようになるキリスト教の誤った解釈です。

第5節、パウロはコリントにいる敵を「super apostles(すごい使徒)」と皮肉ります。

第7節~第10節、パウロは二回目の伝道旅行のときの一年半に及ぶコリント滞在で、コリントの信者たちにはまったく経済的な負担を与えませんでした。新約聖書の「Acts(使徒の働き)」には以下の記述があります。Acts 18:1-8(使徒の働き第18章第1節~第3節)です。

「1 その後、パウロはアテネを去って、コリントへ行った。2 ここで、アクラというポント生まれのユダヤ人およびその妻プリスキラに出会った。クラウデオ帝が、すべてのユダヤ人をローマから退去させるように命令したため、近ごろイタリヤから来ていたのである。パウロはふたりのところに行き、3 自分も同業者であったので、その家に住んでいっしょに仕事をした。彼らの職業は天幕作りであった。」([新改訳])。

パウロはコリントでアクラとプリスキラに会い、彼らのテント作りの仕事を手伝っています。この仕事の収入がパウロの伝道活動の資金となったようです。パウロはこのように活動資金を自分で捻出したり、第9節に「マケドニヤから来た兄弟たちが、私の必要な物すべてを持って来てくれた」とあるように、経済的な支援をコリントの外側から受けたことについて、第7節で「間違いだったのでしょうか」と書いています。パウロはコリントの信徒たちから正式な献金を受け取らなかったので、恐らくこれもまたパウロの使徒としての資格を疑うひとつの理由となっているのです。

第12節、しかしパウロは自分のやり方は変えない、と言います。そうやって自分個人の費用を信者に負担させないように心がけることが、「自分たちの仕事が、ちょうど私たちの仕事と同じだと自慢しようとして機会を狙っている人たちを断ち切る」からだと言います。つまりパウロの敵は、正当な権利としてコリントの信者から献金を要求し、それが使徒としての権威であると言っているのでしょう。

第13節、パウロは敵を「偽の使徒」、「キリストの使徒に変装している偽の働き手」と呼び、第15節では「サタンのしもべたちが正しいしもべに変装したとしても不思議ではありません」と、やはり敵はサタンのしもべだと強い口調で言います。福音にどんな小さな条件でも付けられることに断固反対して戦うのがパウロなのですから、異なるイエスさまを伝え、聖霊とは別の霊を伝え、異なる種類の福音を語るような敵がサタンのしもべと呼ばれるのは当然でしょう。






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