コリント人への手紙第2【手紙その2】第11章第1節~第15節:パウロと偽の使徒たちコリント人への手紙第2:手紙その2

2015年06月13日

コリント人への手紙第2【手紙その2】第10章第1節~第18節:パウロが自分の権威を擁護する

コリント人への手紙第2 手紙その2  




(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)



Paul Defends His Authority

パウロが自分の権威を擁護する


1 Now I, Paul, appeal to you with the gentleness and kindness of Christ -- though I realize you think I am timid in person and bold only when I write from far away.

1 さて私パウロはキリストの寛大さと親切心をもってあなた方に訴えます。あなた方は私が実際に会うと臆病で、遠くから手紙を書くときだけ大胆だと思っていると知っていますが。

2 Well, I am begging you now so that when I come I won’t have to be bold with those who think we act from human motives.

2 そうですね。私がいまあなた方に懇願しているのは、私が行くときに、私たちが人間の動機によって振る舞うと考えている人たちに対して、大胆にならずに済むにようにです。

3 We are human, but we don’t wage war as humans do.

3 私たちは人間ですが、私たちは人間がするようには戦争をしません。

4 We use God’s mighty weapons, not worldly weapons, to knock down the strongholds of human reasoning and to destroy false arguments.

4 私たちは人間の論法の要塞を打ち破り、偽の論点を破壊するために、この世の武器ではなく神さまの強力な武器を使います。

5 We destroy every proud obstacle that keeps people from knowing God. We capture their rebellious thoughts and teach them to obey Christ.

5 私たちは神さまを知ることから人を遠ざける高慢な障壁をひとつ残らず破壊します。私たちはその人たちの反逆心のある思想をとらえ、キリストに従うよう教育します。

6 And after you have become fully obedient, we will punish everyone who remains disobedient.

6 そしてあなた方が完全に従順になったとき、私たちは引き続き反抗する人たち全員を懲らしめます。

7 Look at the obvious facts. Those who say they belong to Christ must recognize that we belong to Christ as much as they do.

7 明白なる事実をご覧なさい。自分たちがキリストに属すると言う人たちは、彼らと同様に私たちもキリストに属すると知らなければなりません。

8 I may seem to be boasting too much about the authority given to us by the Lord. But our authority builds you up; it doesn’t tear you down. So I will not be ashamed of using my authority.

8 私たちが主からいただいた権威について、私は自慢しすぎていると映るのかも知れません。しかし私たちの権威があなた方を築くのです。あなた方を破壊することはありません。だから私は自分の権威を使うことを恥じることはありません。

9 I’m not trying to frighten you by my letters.

9 私は手紙であなた方を怖がらせようとしているのではありません。

10 For some say, “Paul’s letters are demanding and forceful, but in person he is weak, and his speeches are worthless!”

10 「パウロの手紙は要求がきつくて力強いが、実際に会うとパウロは弱々しくて、話しぶりもなっていない」 と言う人たちがいます。

11 Those people should realize that our actions when we arrive in person will be as forceful as what we say in our letters from far away.

11 そういう人たちは私たちが実際に行くときの行動が、私たちが遠くから書く手紙で言うのと同じくらい力強いものとなると承知しておくべきです。

12 Oh, don’t worry; we wouldn’t dare say that we are as wonderful as these other men who tell you how important they are! But they are only comparing themselves with each other, using themselves as the standard of measurement. How ignorant!

12 心配しないでください。私たちは、自分たちがどれほど重要であるかをあなた方に言う人たちと同じくらい自分たちが素晴らしいなどと言おうとは思いません。しかしその人たちは自分たちを量りの基準として、自分たちを互いに比べているだけなのです。なんと無学なことでしょう。

13 We will not boast about things done outside our area of authority. We will boast only about what has happened within the boundaries of the work God has given us, which includes our working with you.

13 私たちは自分たちの権威の範囲の外側で行われたことについて誇ることはありません。私たちは神さまが私たちに与えてくれた仕事、ここには私たちがあなた方と行う仕事が含まれますが、その境界の内側で起こったことについてだけ誇ります。

14 We are not reaching beyond these boundaries when we claim authority over you, as if we had never visited you. For we were the first to travel all the way to Corinth with the Good News of Christ.

14 私たちがあなた方への権威について主張するとき、私たちは、まるで私たちがあなた方を一度も訪ねたことがないかのように、境界を越えて手を伸ばそうとはしているのではありません。なぜなら私たちはキリストの良い知らせを持って、はるばるコリントまで旅行をした最初の者だからです。

15 Nor do we boast and claim credit for the work someone else has done. Instead, we hope that your faith will grow so that the boundaries of our work among you will be extended.

15 あるいは私たちは誰か他の人が行った仕事について自慢し、賞賛を求めているのでもありません。代わりに私たちはあなた方の信仰が育ち、あなた方の間で行った私たちの仕事の境界が拡げられることを願っています。

16 Then we will be able to go and preach the Good News in other places far beyond you, where no one else is working. Then there will be no question of our boasting about work done in someone else’s territory.

16 そうしたら私たちがあなた方をさらに越えて、他には誰も働いていないような遠くの他の土地へ行き、良い知らせを伝道することができます。そうすれば誰か他の人の縄張りで行われた仕事について私たちが自慢することに何の問題もなくなるでしょう。

17 As the Scriptures say, “If you want to boast, boast only about the Lord.”

17 「誇りたいのなら、主についてだけ誇りなさい。」と聖書が言うとおりです。

18 When people commend themselves, it doesn’t count for much. The important thing is for the Lord to commend them.

18 人が自分自身をほめるのなら、それほど価値はありません。大切なのは主がその人たちをほめることなのです。




ミニミニ解説

「2 Corinthians(コリント人への手紙第2) 」の第10章です。

「2 Corinthians(コリント人への手紙第2) 」は、パウロの少なくとも四つの手紙が一つに編纂されているという前提に基づき、章の順ではなく、全体を分割して四つの手紙が書かれた順に読んでいきます。

パウロは二回目の伝道旅行で一年半に渡ってコリントに滞在し、ユダヤ人と異邦人に福音を伝えました。パウロがコリントを去った後、コリントの教会では様々な問題が発生しました。三回目の伝道旅行の途上でパウロがエペソに滞在しているときに、コリントの教会はステパナ、ポルトナト、アカイコの三名を代表として送り、パウロに指導を仰ぎました。「1 Corinthians(コリント人への手紙第1) 」はパウロがコリントの教会へ宛てた指導の手紙でした。

パウロは「1 Corinthians(コリント人への手紙第1) 」を送るに先駆けて、テモテをコリントに派遣しています。やがてエペソに戻って来たテモテは、パウロにコリントの緊急事態を伝えます。それはコリントにパウロが説くのとは異なる福音を説く人たちが現れ、コリントの信者たちを惑わし、さらにその人たちはパウロの使徒としての資格に疑問を投げかけていると言うのです。

以下が、最初に書いた四つの手紙の概略です。

  • 手紙その1:テモテの緊急事態報告を受けて。第2章第14節~第7章第4節
  • 手紙その2:コリント訪問が失敗に終わって。第10章~第13章
  • 手紙その3:テトスの事態好転の報告を受けて。第1章第1節~第2章第13節、第7章第5節~第16節
  • 手紙その4:エルサレムの教会への献金について。第8章~第9章(ここは章ごとに別々の手紙である可能性が高い)

ここからは第二の手紙部分を読んでいきます。第10章~第13章です。

最終的にパウロはコリントを訪問し、おそらく西暦55年末~56年春の越冬の期間に三ヶ月間滞在して、この間にコリントで「Romans(ローマ人への手紙)」を書くのですが、今回から読む第二の手紙の部分を読むと、手紙の中に「三度目の訪問」と言う言葉が何度か出て来ます。そうなると二回目の伝道旅行時に最初にコリントを訪れた一年半の滞在と、最後の三ヶ月の越冬の滞在の間に、「二度目の訪問」がなければ筋が通らないことになります。しかしパウロの二度目の訪問の記録は、「Acts(使徒の働き)」には登場しないのです。記録者のルカには、何かこの訪問を記録したくない特別な理由があったのかも知れません。

「2 Corinthians(コリント人への手紙第2) 」に編纂された第二の手紙は、恐らくパウロの二度目の訪問の直後に書かれた手紙で、その二度目の訪問で、パウロと敵との対決はパウロ側の失敗に終わっており、そのためか手紙はかなり感情的な内容になっています。

今回の部分の第1節、パウロは自分の評判について「実際に会うと臆病で、遠くから手紙を書くときだけ大胆」と書きます。これがコリントでパウロの敵が言っていることなのでしょう。

第2節、第二の手紙でパウロがコリントの信徒たちに必死に懇願を行う理由が書かれています。それは「私たちが人間の動機によって振る舞うと考えている人たちに対して、大胆にならずに済むにように」だとあります。これはこの後で出てきますが、次の三度目の訪問時には、今度こそ敵を容赦しないという前振りです。

第3節~第5節は、パウロは神さまの武器を使って戦争をすると書きます。その武器によって神さまを知ろうとすることを阻む人たちを破壊し、イエスさまに従うように教育する、と言います。

第6節、そしてパウロが教えた信者たちが従順になったら、パウロは反抗する人たち全員を懲らしめると言います。

第7節、パウロは「自分たちがキリストに属すると言う人たちは、彼らと同様に私たちもキリストに属すると知らなければなりません」と書きますから、敵もまた、キリストに属するクリスチャンであると主張しているのです。ちなみにパウロの敵が誰で、コリントでどのような主張をしていたのかは、手紙を最後まで読んでも明らかにはされません。

第8節、パウロは「私たちが主からいただいた権威について、私は自慢しすぎていると映るのかも知れません」と書き、自分の権威を感情的に擁護します。恐らくコリントではパウロの権威が激しく攻撃され、コリントの信者たちは少なからずその影響を受けて、パウロの権威を疑問視し始めているのです。

第9節、パウロは「私は手紙であなた方を怖がらせようとしているのではありません」と書きますが、第二の手紙は感情的なので、読み手をかなり怖がらせる内容になっています。

第10節~第11節、コリントではパウロの敵が「パウロの手紙は要求がきつくて力強いが、実際に会うとパウロは弱々しくて、話しぶりもなっていない」 と言っています。これに対してパウロは次回の訪問時には、その敵に思い知らせると言います。

第12節には敵に関するヒントが書かれています。敵は「自分たちがどれほど重要であるかを主張する人たち」であり、「自分たちを量りの基準として、自分たちを互いに比べているだけ」の人たちです。

第13節~第14節、パウロはコリントの信者たちに思い出させます。パウロは「キリストの良い知らせを持って、はるばるコリントまで旅行をした最初の者」なのです。自分がコリントの人たちに最初に福音を伝えた使徒であることは紛れもない事実であり、それを自慢することには何も問題はないはずだと言います。

第15節~第16節、パウロは自分の行った伝道について自慢しているのであり、さらにはコリントがパウロの伝えた福音を信じる教会の拠点として育ち、そうすることでパウロはさらにコリントの先へと伝道の範囲が拡げられるようになれば良いと言います。

第17節の「誇りたいのなら、主についてだけ誇りなさい。」の引用は旧約聖書のJeremiah 9:23-24(エレミヤ書第9章第23節~第24節)です。

「23 主はこう仰せられる。「知恵ある者は自分の知恵を誇るな。つわものは自分の強さを誇るな。富む者は自分の富を誇るな。24 誇る者は、ただ、これを誇れ。悟りを得て、わたしを知っていることを。わたしは主であって、地に恵みと公義と正義を行なう者であり、わたしがこれらのことを喜ぶからだ。」([新改訳])。

第18節、「人が自分自身をほめるのなら、それほど価値はありません。大切なのは主がその人たちをほめることなのです。」 その通りです。自分が神さまの目に正しく映るか否か、自分は神さまを喜ばせているのか悲しませているのか、常にそれだけが大切なのです。






english1982 at 22:00│コリント人への手紙第2 
コリント人への手紙第2【手紙その2】第11章第1節~第15節:パウロと偽の使徒たちコリント人への手紙第2:手紙その2