コリント人への手紙第1第7章第25節~第40節:結婚についての教え(続き)コリント人への手紙第1第7章第1節~第16節:結婚についての教え

2015年06月24日

コリント人への手紙第1第7章第17節~第24節:結婚についての教え(続き)

コリント人への手紙第1 第7章



(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)


17 Each of you should continue to live in whatever situation the Lord has placed you, and remain as you were when God first called you. This is my rule for all the churches.

17 あなた方一人ひとりは主があなた方を置いた状況のまま生きるべきです。神さまが最初にあなた方を呼んだときの状態にとどまるべきです。これはすべての教会への私のルールです。

18 For instance, a man who was circumcised before he became a believer should not try to reverse it. And the man who was uncircumcised when he became a believer should not be circumcised now.

18 それはたとえば信者になる前に割礼を受けていた人はそれを取り消そうとするべきではありません。信者になったときに割礼を受けていなかった人は割礼を受けるべきではありません。

19 For it makes no difference whether or not a man has been circumcised. The important thing is to keep God’s commandments.

19 なぜなら割礼を受けたかどうかは関係がないからです。重要なのは神さまの命令を守ることです。

20 Yes, each of you should remain as you were when God called you.

20 そうです。一人ひとりは神さまがあなた方を呼んだときの状態にとどまるべきです。

21 Are you a slave? Don’t let that worry you -- but if you get a chance to be free, take it.

21 あなたは奴隷ですか。それを理由に心配してはいけません。しかしもし自由になる機会があれば、そうしなさい。

22 And remember, if you were a slave when the Lord called you, you are now free in the Lord. And if you were free when the Lord called you, you are now a slave of Christ.

22 覚えておきなさい。主があなたを呼んだときにあなたが奴隷であっても、いまあなたは主にあって自由なのです。主があなたを呼んだときにあなたが自由であったら、あなたはいまキリストの奴隷なのです。

23 God paid a high price for you, so don’t be enslaved by the world.

23 神さまはあなた方のために高い代償を払ったのです。ですから世によって奴隷とされてはいけません。

24 Each of you, dear brothers and sisters, should remain as you were when God first called you.

24 兄弟たち、姉妹たち、あなた方一人ひとりは、神さまが最初にあなた方を呼んだときの状態にとどまるべきです。




ミニミニ解説

「1 Corinthians(コリント人への手紙第1) 」の第7章です。

パウロは二回目の伝道旅行で一年半に渡ってコリントに滞在し、ユダヤ人と異邦人に福音を伝えました。パウロがコリントを去った後、コリントの教会では様々な問題が発生しました。 三回目の伝道旅行の途上でパウロがエペソに滞在していると聞きつけたコリントの教会は、ステパナ、ポルトナト、アカイコの三名を代表として送り、パウロに指導を仰ぐことにしました。これはパウロがコリントの教会へ宛てた指導の手紙です。

第7章はコリントの教会が手紙に書いてたずねてきたことについてパウロが解答しています。

第17節~第24節は、割礼と奴隷についてです。

第17節でパウロは、信者は、主イエスさまが自分を置いた状況、神さまが最初に自分を置いたときの状態にとどまるようにと言い、これについて割礼と奴隷の二つについて説明します。 と言うことはコリントの教会は「割礼を取り除くべきか」「割礼を受けるべきか」、「奴隷は自由の身となるために逃げるべきか」などの趣旨の質問をしてきたと言うことです。

「割礼」は旧約聖書の律法に定められた儀式です。儀式では男性の性器の包皮を切り取ります。Genesis 17:9-14(創世記第17章第9節~第14節)です。

「9 ついで、神はアブラハムに仰せられた。「あなたは、あなたの後のあなたの子孫とともに、代々にわたり、わたしの契約を守らなければならない。10 次のことが、わたしとあなたがたと、またあなたの後のあなたの子孫との間で、あなたがたが守るべきわたしの契約である。あなたがたの中のすべての男子は割礼を受けなさい。11 あなたがたは、あなたがたの包皮の肉を切り捨てなさい。それが、わたしとあなたがたの間の契約のしるしである。12 あなたがたの中の男子はみな、代々にわたり、生まれて八日目に、割礼を受けなければならない。家で生まれたしもべも、外国人から金で買い取られたあなたの子孫ではない者も。13 あなたの家で生まれたしもべも、あなたが金で買い取った者も、必ず割礼を受けなければならない。わたしの契約は、永遠の契約として、あなたがたの肉の上にしるされなければならない。14 包皮の肉を切り捨てられていない無割礼の男、そのような者は、その民から断ち切られなければならない。わたしの契約を破ったのである。」([新改訳])。

律法は明確に「家で生まれたしもべも、外国人から金で買い取られたあなたの子孫ではない者も」と書いています。

当時、イスラエルは西暦70年のエルサレム陥落に向かって支配国であるローマ帝国との対決色を強め、国内では保守化が進み、律法遵守を重視するファリサイ派が力をつけていました。 この傾向からクリスチャンの教会の中にも、ユダヤの律法を重んじる「ユダヤ主義」とか「割礼派」と呼ばれる人たちが登場し、この人たちは異邦人がクリスチャンになる場合には、その前にまず律法に沿って割礼を受けてユダヤ人とならなければならないと主張しました。これは神さまからの無償の贈り物であるはずの福音に、条件を追加する思想ですから、パウロはこの人たちと激しく対立しました。

第18節は、信者になったときに割礼を受けていた人はそれを取り消すべきではないし、割礼を受けていない人は割礼を受けるべきではないとします。 その理由は第19節、割礼のある・なしは福音を受けることとはまったく関係がないからです。福音を受け入れることに条件はありません。

第21節からは奴隷の話になります。パウロは自分が奴隷の身分であることを心配するな、と言います。 パウロは「奴隷」と言う当時のシステムを特別に否定するようなことは言いません。第22節にあるように、自分の身分が奴隷であるかないかは、やはり福音を受け入れることとはまったく関係がないからです。福音を受け入れた人はイエスさまの下に等しく自由であり、また等しく主に仕える奴隷なのです。

第23節、神さまはイエスさまを犠牲に捧げてすべての人を罪の奴隷から解放しました。だから私たちは神さま以外の何者によっても自分たちの心を支配させることのないように、神さま以外の他のものの奴隷となることのないようにしなければなりません。






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