2015年08月05日

使徒の働き第27章第27節~第44節:難破

第27章




(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)


The Shipwreck

難破


27 About midnight on the fourteenth night of the storm, as we were being driven across the Sea of Adria, the sailors sensed land was near.

27 嵐の十四日目の真夜中ごろ、私たちがアドリヤ海を流されていると、水夫たちは陸地が近いと感じました。

28 They dropped a weighted line and found that the water was 120 feet deep. But a little later they measured again and found it was only 90 feet deep.

28 水夫たちはおもりを付けた糸を垂らし、水深が120フィート(40メートル弱)だとわかりました。少しして水夫たちが再度測ると、水深はたった90フィート(30メートル弱)でした。

29 At this rate they were afraid we would soon be driven against the rocks along the shore, so they threw out four anchors from the back of the ship and prayed for daylight.

29 水夫たちはこんな調子ではすぐ岸の暗礁に乗り上げると心配し、船の後ろから錨を四つ下ろすと、夜明けを求めて祈りました。

30 Then the sailors tried to abandon the ship; they lowered the lifeboat as though they were going to put out anchors from the front of the ship.

30 それから水夫たちは船を棄てようとして、船のへさきから錨を出すように見せかけて救命艇を降ろしました。

31 But Paul said to the commanding officer and the soldiers, “You will all die unless the sailors stay aboard.”

31 しかしパウロは指揮官と兵士たちに言いました。「水夫たちが船にとどまらなければあなた方は全員死にます。」

32 So the soldiers cut the ropes to the lifeboat and let it drift away.

32 そこで兵士たちは救命艇へのロープを切り、救命艇が流れるにまかせました。

33 Just as day was dawning, Paul urged everyone to eat. “You have been so worried that you haven’t touched food for two weeks,” he said.

33 夜が明けかけたころ、パウロはみなに食べるように勧めました。パウロは言いました。「あなた方はあまりに心配するあまり、二週間も食べものに触れていません。」

34 “Please eat something now for your own good. For not a hair of your heads will perish.”

34 「どうかいまあなた方自身のために何か食べて下さい。あなた方の頭から毛一本も失われることはありませんから。」

35 Then he took some bread, gave thanks to God before them all, and broke off a piece and ate it.

35 それからパウロはパンを取り、全員の前で神さまに感謝を捧げ、一片を裂いて食べました。

36 Then everyone was encouraged and began to eat -- 

36 みなは元気づけられて食べ始めました。

37 all 276 of us who were on board.

37 船にいたのは私たち276人です。

38 After eating, the crew lightened the ship further by throwing the cargo of wheat overboard.

38 食べた後、乗組員は小麦の積み荷を投げ捨ててさらに船を軽くしました。

39 When morning dawned, they didn’t recognize the coastline, but they saw a bay with a beach and wondered if they could get to shore by running the ship aground.

39 夜が明けると、水夫たちはどこの海岸線からはわかりませんでしたが砂浜のある入江が見えたので、船を座礁させて海岸に到達できるのではないかと思いました。

40 So they cut off the anchors and left them in the sea. Then they lowered the rudders, raised the foresail, and headed toward shore.

40 そこで水夫たちは錨を切って海に捨てました。それから水夫たちはかじを下ろし、船の前部の帆を上げて砂浜に向かって進みました。

41 But they hit a shoal and ran the ship aground too soon. The bow of the ship stuck fast, while the stern was repeatedly smashed by the force of the waves and began to break apart.

41 ところが浅瀬にぶつかって座礁するのが早すぎました。船首は固定して動かなくなり、船尾は波の力で繰り返し打ちつけられて壊れ始めました。

42 The soldiers wanted to kill the prisoners to make sure they didn’t swim ashore and escape.

42 兵士たちは囚人たちが岸へ泳いで逃げないように殺そうとしました。

43 But the commanding officer wanted to spare Paul, so he didn’t let them carry out their plan. Then he ordered all who could swim to jump overboard first and make for land.

43 しかし指揮官はパウロのいのちを助けたいと思ったので、兵士たちに計画を実行させませんでした。それから指揮官は泳げる者が最初に水中に飛び込んで陸へ上がるように命じました。

44 The others held on to planks or debris from the broken ship. So everyone escaped safely to shore.

44 他の人たちは厚板や壊れた船の破片につかまりました。それで全員が安全に陸に上がりました。




ミニミニ解説

「使徒の働き」の第27章です。

第3回目の伝道旅行を終えてエルサレムに戻ったパウロは、パウロを付け狙うアジヤ州から来たユダヤ人に目撃され、そこからエルサレム中を巻き込む暴動が発生しました。パウロはローマ帝国軍の指揮官クラウデオ・ルシヤに命を救われ、その後、総督ペリクスのいるカイザリヤへ移送されます。

移送から五日後、エルサレムから大祭司のアナニヤが自らやってきて、弁護士のテルトロにパウロを告発させますが、彼らはそれを証明することが出来ません。ペリクスは判決を下すことなく審問を休会し、パウロはカイザリヤで二年間監禁されたままとなり、裁判は後任の総督ポルキオ・フェストに委ねられました。

着任したフェストはカイザリヤで法廷を開きますが、エルサレムから来た指導者たちは前回と同様、パウロの告発内容を証明することが出来ません。フェストがパウロにエルサレムで裁判を受けたいかとたずねると、パウロはローマ皇帝に上訴する、と言います。フェストはパウロの上訴を認め、パウロをローマへ送ることを決定します。

前回、パウロたちはローマへ向けて出帆しましたが、ミラの港で乗り換えた船はエーゲ海への入り口のあたりで風向きに苦しんで北上できず、クレテ島の中央部南岸のフェアヘブンに着きます。船はパウロの警告を無視して、島の西方のピニクスを目指しますが、天候が急変し暴風に襲われ、はるか南方の沖へと流されてしまいます。

嵐は14日間も続き、ようやく陸地にたどり着くことが出来ました。

第27節には船が「アドリヤ海を流されている」と書かれていますが(アドリヤ海はイタリヤ半島の東です)、船は最終的にイタリヤ南部のシチリヤ島の南の沖にあるマルタ島に着きますから、船が流されているのはアドリヤ海のずっと南方のアフリカ寄りでしょう。

第42節でローマ兵たちが囚人を殺そうと考えたのは、以前にも書きましたが囚人を逃がしたローマ兵は死刑になるからです。



english1982 at 21:00|Permalink使徒の働き 

使徒の働き第28章第1節~第16節:マルタ島のパウロ、パウロがローマに到達する

第28章




(英語は[NLT]、日本語は私の拙訳です。)


Paul on the Island of Malta

マルタ島のパウロ


1 Once we were safe on shore, we learned that we were on the island of Malta.

1 海岸で安全な状態になると私たちはマルタ島にいると知りました。

2 The people of the island were very kind to us. It was cold and rainy, so they built a fire on the shore to welcome us.

2 島の人々は私たちにとても親切でした。寒くて雨が降っていたので、人々は海岸で火をたいて私たちを歓迎してくれました。

3 As Paul gathered an armful of sticks and was laying them on the fire, a poisonous snake, driven out by the heat, bit him on the hand.

3 パウロがひとかかえの木の枝を集めて火にくべていると、熱に追われた毒蛇がパウロの手をかみました。

4 The people of the island saw it hanging from his hand and said to each other, “A murderer, no doubt! Though he escaped the sea, justice will not permit him to live.”

4 島の人々は毒蛇がパウロの手からぶら下がっているのを見て互いに言いました。「人殺しに間違いない。海からは逃れたが正義の女神がこの人を生かしておかないのだ。」

5 But Paul shook off the snake into the fire and was unharmed.

5 しかしパウロは蛇を火の中に振り落とし、無事なのでした。

6 The people waited for him to swell up or suddenly drop dead. But when they had waited a long time and saw that he wasn’t harmed, they changed their minds and decided he was a god.

6 島の人々はパウロがはれ上がるか、突然倒れて死ぬだろと待っていました。しかし長時間待ってもパウロに害がないのを見ると、人々は考えを変えてパウロは神だと決めました。

7 Near the shore where we landed was an estate belonging to Publius, the chief official of the island. He welcomed us and treated us kindly for three days.

7 私たちが上陸した海岸の近くに島の役人でポプリオという人の地所がありました。彼は私たちを歓迎し、三日の間親切に待遇してくれました。

8 As it happened, Publius’s father was ill with fever and dysentery. Paul went in and prayed for him, and laying his hands on him, he healed him.

8 たまたまポプリオの父が熱赤痢にかかっていました。パウロは入っていってこの人のためにお祈りをし、両手を彼の上に置いて癒やしました。

9 Then all the other sick people on the island came and were healed.

9 それから島の他の病人たちが全員来て癒やされました。

10 As a result we were showered with honors, and when the time came to sail, people supplied us with everything we would need for the trip.

10 結果として私たちには尊敬の言葉が浴びせられ、出帆するときが来ると、人々は私たちに旅に必要なものすべてを用意してくれました。



Paul Arrives at Rome

パウロがローマに到達する


11 It was three months after the shipwreck that we set sail on another ship that had wintered at the island -- an Alexandrian ship with the twin gods as its figurehead.
11 難破から三か月後、私たちはこの島で冬を過ごしていた別の船で出帆しました。双子の神の船首像があるアレキサンドリヤの船でした。

12 Our first stop was Syracuse, where we stayed three days.

12 最初の停泊地はシラクサで、私たちは三日間滞在しました。

13 From there we sailed across to Rhegium. A day later a south wind began blowing, so the following day we sailed up the coast to Puteoli.

13 そこからレギオンへ航海しました。一日後、南風が吹き始めたので私たちは翌日に沿岸を北上してポテオリに至りました。

14 There we found some believers, who invited us to spend a week with them. And so we came to Rome.

14 ここで私たちは何人かの信者に会い、彼らは私たちを招いて、彼らと一週間を過ごしました。そして私たちはローマに来ました。

15 The brothers and sisters in Rome had heard we were coming, and they came to meet us at the Forum on the Appian Way. Others joined us at The Three Taverns. When Paul saw them, he was encouraged and thanked God.

15 ローマの兄弟、姉妹たちは私たちが来ると聞いていて、アッピア街道のポロまで私たちを迎えに来てくれました。他の人たちはトレス・タベルネで私たちに合流しました。パウロは彼らに会って勇気づけられ、神さまに感謝しました。

16 When we arrived in Rome, Paul was permitted to have his own private lodging, though he was guarded by a soldier.

16 私たちがローマに到着すると、パウロは兵士に見張られていましたが、自分個人の宿に住むことを許されました。




ミニミニ解説

「使徒の働き」の第28章、最終章です。

第3回目の伝道旅行を終えてエルサレムに戻ったパウロは、パウロを付け狙うアジヤ州から来たユダヤ人に目撃され、そこからエルサレム中を巻き込む暴動が発生しました。パウロはローマ帝国軍の指揮官クラウデオ・ルシヤに命を救われ、その後、総督ペリクスのいるカイザリヤへ移送されます。

移送から五日後、エルサレムから大祭司のアナニヤが自らやってきて、弁護士のテルトロにパウロを告発させますが、彼らはそれを証明することが出来ません。ペリクスは判決を下すことなく審問を休会し、パウロはカイザリヤで二年間監禁されたままとなり、裁判は後任の総督ポルキオ・フェストに委ねられました。

着任したフェストはカイザリヤで法廷を開きますが、エルサレムから来た指導者たちは前回と同様、パウロの告発内容を証明することが出来ません。フェストがパウロにエルサレムで裁判を受けたいかとたずねると、パウロはローマ皇帝に上訴する、と言います。フェストはパウロの上訴を認め、パウロをローマへ送ることを決定します。

パウロたちはローマへ向けて出帆しますが、クレテ島の南岸を航海中に暴風に襲われ、船は南方へと流されて嵐の中を漂流します。嵐は14日間も続き、前回ようやく陸地にたどり着くことが出来ました。

第1節、パウロたちが漂着したのはシチリア島の南、80キロほどのところにあるマルタ島でした。

第2節、島の人たちはパウロたちを親切にもてなします。海岸にたき火を起こしてくれました。

第3節、パウロが木の枝を集めてたき火にくべていると、束の中から毒蛇(まむし)が這い出てきてパウロの手をかみます。この部分、[NLT]には「bit him on the hand(手をかんだ)」と書いてありますが、[KJV]は「fastened on his hand(手に取りついた)」と書いているので、はたしてパウロは毒蛇に手をかまれたのに命に別状がなかったのか、毒蛇が手に絡みついたのに手をかまれなかったのかはわかりません。

第4節、人々はこの出来事には因縁があると考え、パウロは海難は逃れても結局死ぬ運命だったのだと話します。

第5節~第6節、パウロは蛇をたき火の中に振り落とし、人々はパウロが絶命するのを待ちますが、パウロがいつまで経っても何ともないので今度はパウロを神格化します。

第7節~第9節、パウロたちは島の役人ポプリオの歓待を受け、パウロは彼の父の病気を癒やします。それをきっかけに島中の病人がパウロのところに連れてこられ、パウロはこれらの人たちをことごとく癒やしてしまいます。

第11節~第13節、三ヶ月が経って冬が終わるとパウロたちはアレクサンドリアの船で出航し、シチリア島のシラクサに三日間寄港し、イタリア半島南端のレギオンで二日を過ごし、沿岸沿いを北上して現在のナポリの近くのプテオリに到着します。

第14節、パウロはここで信者に会い、共に一週間を過ごします。

第15節、ここからは陸路を進みます。ローマまでは約180キロあります。ローマの信者たちがパウロを迎えに来ています。一組はポロまで、もう一組はトレス・タベルネまで来てくれました。パウロは迎えに来た信者たちに会って勇気づけられます。

第16節、ローマに到着するとパウロには個人宅が与えられました。パウロを監視している兵士は「a soldier」となっていますから、ひとりです。



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